取り出し授業でBICSにかけられる期間の限界は?

去る8月28日に開催した

篠研企画 臼井智美セミナー
「日本語指導が必要な児童生徒に対する日本語教育
-小中高で指導する前に知っておくと助かること-」

より。

ちなみに、臼井先生は大阪教育大学の先生で
いらっしゃり、

学校教育側からの外国人児童生徒に対する教育
のエキスパート。

来年も開催いたしますので、ぜひご参加くださ
いね。

関西の先生ならではのユーモア且つ切れ味鋭い
楽しいセミナーです。
(ご案内は姉妹メルマガ「日々成長する教師」で
いたします。)

さて、BICSとCALPといえば、外国人児童生徒に
対する日本語教育では超重要キーワードです。

BICSとは、

「生活言語能力。通常の生活場面で必要とされる
言語能力。」

のこと。

一方、CALPとは、

「学習言語能力。学校等の授業の中で必要とさ
れる言語能力。」

のことです。

では、ここで問題(ジャジャン!)

学校での取り出し授業でBICSにかけられる
期間の限界は、どれくらいでしょうか?

ハイ、シンキングタイム(カッチ、カッチ、カッチ、カッチ)


正解は、6か月。

「えっ、BICSの習得は半年から1年かかる
んじゃないの?」

そう思われた方もいらっしゃるかもしれま
せん。

もちろん、それは正しい。

ですが、学校での取り出し授業でBICSに
かけられる期間の限界は、ほぼ半年と考
えておいた方がいいのです。

理由は、2つ。

1つは、半年ほどたつと児童生徒もそこ
そこBICSを習得するので、

彼ら自身が取り出し授業に参加する意義を
見出せなくなること。

そして、もう1つは(おそらくこちらの理
由が大きい。)

半年も取り出し授業に参加すると、クラス
の友だちから

「どうしていつも国語の時間になったら
いなくなるの?」

とか、

「授業さぼって何してんの?」

とか、

「どうせ、1人でゲームしたり、お菓子
たべたりしてるんだろっ。」

とか、なんやかんや言われるから。

やっぱりそういうのは、嫌なんですね。

なので、日本語指導員は、

「BICS指導は半年が限界かな。」

と考えておいた方がいいのです。

とはいえ、

「じゃあ、しっかり指導しなければ!」

と思うかもしれませんが、
実は、それは逆効果。

そもそも日本語指導員の授業は週に1回。

しかも、その時間が児童にとって数少ない
自己表現ができる場だとすれば、

児童生徒にとっては、1週間分溜まりに
溜まったことを思いっきり喋るチャンス
なのです。

そこを、

「はい、今日は漢字を10個勉強しましょう。
勉強しない子は嫌いです。」

みたいな態度を取れば、

おそらく児童は心を閉ざし、次回から
日本語の授業には出てこないでしょう。

成人に対する日本語教育とは、まったく
勝手が違うんですね。

そんなこんなで、BICSが一段落ついたら、
今度はCALP。

外国人児童生徒にとって、CALPのどんな
ところが習得困難だと思いますか。

「そりゃもちろん、二次方程式とか
食物連鎖とか、科目特有の専門用語
でしょ?」

たしかにそういう言葉も初めて触れる
わけですから、難しいといったら難しい。

でも、それは外国人児童生徒に限った
ことではありません。

日本人児童も同じです。

外国人児童生徒が特につまづいてしまう
のは、実はそういうところではないので
す。

続きは、次回に。

…みたいな話を、検定対策セミナーでは
問題解説の合間にお話ししています。

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