実はおもしろい検定試験(教室から徒歩3分の遠足)
今回もおもしろい検定試験問題をご紹介
します。
平成24年試験I問題3Cから。
試験I問題3は、主に日本語学から出題される
文章問題。
試験I問題3基本的な内容が多いので、しっかり
得点したいところです。
以下。
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問題3 次のA~Dの文章を読み,(1)~(14)
の問いに答えよ。
C【場所を表す格助詞】
(問題文、省略)
(13) 文章中の下線部B「動作や出来事が起こる場
所を表す働き」の具体例として不適当なものを、
次の1~4の中から選べ。
1 病院で健康診断がありました。
2 警察で表彰式が行われました。
3 学校で遠足に行きました。
4 図書館で停電が起きました。
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いかがでしょうか。
一見、全部「で」に見えますが、
(すみません、全部「で」です(笑))
4つのうち、1つだけ動作や出来事が起こる
場所を表さない「で」が含まれています。
それ以外は、すべて動作や出来事が起こる場
所を表す「で」。
(以下、略して「場所の『で』」)
どうやって解けばいいかといいますと、
例えば、選択肢1の「で」は場所を表し
ますが、
それは、以下のような会話文に分解できる
からです。
1’)A:健康診断があった。
B:どこで?
A:病院で。
「どこで?」と聞かれて「病院で」と
答えているわけですから、ここでの
「で」は場所の「で」といえるわけです。
選択肢2,4も同じように
2’)A:表彰式が行われました。
B:どこで?
A:警察で。
4’)A:停電が起きました。
B:どこで?
A:図書館で。
といえますので、場所の「で」と。
では、同じように選択肢3も分解して
みると、
3’)A:遠足に行きました。
B:どこで?
A:学校で。
「どこで/学校で」ではなく
「どこへ/学校へ」じゃないかという
問題についてはさておき、
そもそも、遠足の目的地が学校って、
何なんですかっ!
教室から徒歩3分(笑)
それはもやは、遠足でもなんでもなく、
単に校庭で弁当広げて食っただけじゃ
ないですか(笑)
ふつーの昼休みじゃないですか(笑)
子どもの楽しみが木っ端微塵(笑)
では、この「で」はいったい何なのか。
もう一度、選択肢3を見てください。
3 学校で遠足に行きました。
この時の「で」は「が」に置きかえられ
ませんか?
3’ 学校が遠足に行きました。
つまり、この時の「で」は動作の主体を
表す「で」なんですね。
格助詞「で」が動作の主体を表すなど
にわかに連想しにくいかもしれませんが、
そういう用法もあるんですね。
これ、結構教師の方も指導漏れがある
項目で、
それだけに学習者の方も知らなかったり
しますので、
テキストに出てきた時には、しっかり
指導しましょう。