交流会話と交渉会話

数年前から、日本語教育では

「雑談指導」

が1つの静かなブームになっています。

これまでの日本語教育というのは、
機能シラバスよろしく、

「依頼、提案、同意など、どうやって相手と
 うまく交渉するか。」

にフォーカスした教育が行われていましたが、

近年では、

「日本人の友人や同僚と雑談を楽しみたい。」

というニーズもあって、雑談指導が注目されて
いるようです。

最近では、マンツーマンのオンラインレッスン
も盛んで、

こうしたニーズを持った学習者に指導する機会
も増えましたので、

雑談指導も1つの指導のレパートリーとして
身につけておくといいと思います。

ところで、この雑談ですが学術的には

【交流会話】

と言います。

また、先にあげた依頼、提案、同意といった
会話を

【交渉会話】

と言います。

この交流会話と交渉会話、検定試験にも出題
されたことがありますし、

「違いがよく分からない。」

という方もいらっしゃいますので、しっかり
抑えておく必要があります。

これについて、

WEBで学ぶ通信講座
「篠研の日本語教育能力検定試験対策」
 https://www.kanjifumi.jp/become/distancelearning/

講義資料No.097「コミュニケーション学」

では、以下のように解説しています。

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交流会話と交渉会話

 ブラウンとユール(G.Brown & G.Yule)は、
会話には交流会話と交渉会話の2種類あると
しました。

交流会話とは「話すことそれ自体を目的とし、
人間関係の維持をねらいとする会話」(関他編
(2010)p.4)のことで、

いわゆる雑談を指します(同上)。

例えば(13)の会話がそれにあたります。

(13)A:今日のその服、素敵ね。
   B:あら、そう。ありがとう。

 一方、交渉会話とは「何らかの物事を具体的
に処理することを目的とする会話」(同上)の
ことで、

友人と約束する際の会話や客とのやり取りなど
を指します。

例えば(14)の会話がそれにあたります。

(14)A:明日、一緒に映画観に行かない?
   B:いいよ。

 実際の会話では、交流会話と交渉会話が別々
に存在したり展開したりするわけではありませ
ん。

また、交流会話にしても交渉会話にしても、
ある程度決まった談話の型や機能(例:依頼)
があります。

従って、会話指導の際には学習者にニーズや
レベルを踏まえ、両方をバランスよく指導する
必要があります。

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いかがでしょうか。

ご理解いただけましたでしょうか。

交流会話と交渉会話を理解するためには、
具体的で簡単な会話例を1つ知っておくと
よく分ります。

頑張ってくださいね(^_^)


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