短期滞在の学習者への指導のポイントは?
私のもとには日々、たくさんの方から
ご質問メールをいただいています。
そして、1つ1つ丁寧に回答しては
「教えて!篠崎先生っ!」専用のQAサイトに
ストックしているわけですが、
おかげさまで、QA記事も996記事と、1000記事まで
4記事まで迫りました。
これだけの記事があれば、これを利用するだけで
かなりの悩みや問題が解決できるのではないかと
思います。
もともとこのサービスは、検定会員の方から、
「先生に質問したいことがたくさんあるのですが、
忙しい篠崎先生に無料で聞くのは忍びない。
お願いですから、有料サービスを作って
いただけませんか。」
というご要望にお応えして生まれたもの。
やはり、会員様とのコミュニケーションって
大事だなと、つくづく感じます。
とはいえ、ご利用になさっていない方にとっては、
「質問してもどれくらいのクオリティの
回答をしてくれるのか。」
というご心配もあるかと思います。
そこで、今回は最近いただいたご質問と
その回答をご紹介いたします。
「これだったら、私の悩みも解決してくれそう。」
そう思われた方は、ご入会くださいね(^_^)
以下。
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【ご質問】
いつもお答えをいただき、ありがとうございます。
今回は、短期滞在の学習者への指導について
教えていただきたいと思います。
主に漢字圏の数名で、平仮名はなんとか読める
十代から社会人まで、
特に明確な目標はなく、観光や親族の訪問など
のついでに、とか、
知り合いに誘われたから、といったきっかけで、
ちょっと日本語をかじってみようかなという
感じです。
そういう方向けの日本文化体験を含む短期プロ
グラムで、
約半月、日に2~4時間、日本語を学習できる
ように、主担当の先生がカリキュラムを作成
されました。
今まで進学や就労を目指す学習者や、家族滞在で
生活者としての日本語を勉強したい人には、
接したことがあるのですが、
このような学習者に対するのは全く初めてで
戸惑っています。
私が担当するのは全日程の2割程度なのですが、
このような学習者に合わせて進めていくコツや
心構えなど、アドバイスをお願いします。
【ご返事】
> ちょっと日本語をかじってみようかなという感じです。
> そういう方向けの日本文化体験を含む短期プログラム
これからそういった短期滞在者に対する日本語教育の
需要は増えていくと考えられます。
基本的にはサバイバルジャパニーズといえますので、
日本語を使って買い物や簡単な用事がこなせるように
なることが目標です。
それを踏まえて考えますと、文法説明や
練習は最小限にとどめ、書いたり読んだり
するよりは、
聞いたり話したりすることに重点を置き、
できれば母語訳を使いながら、とにかく
発話させます。
例えば「~たいです」であれば、「ます形+たいです」
の部分を「買いたいです」「見たいです」
「行きたいです」くらいに限定して、
前に来る名詞をたくさん導入したほうが役に立ちます。
また、文化体験をする前には、
生け花であれば道具(はさみ、剣山、水、花器等)や
用語(花、葉、茎、活けます、切ります等)を簡単に
紹介しておくとスムーズです。
小さなタスクを次々と達成し、学習者が「楽しかった」
という満足感を得られるような授業計画を作って
臨んでください。
ただ、テストなどがあるわけではないので、
学習者の様子を見ながら進められるくらいの
余裕をもった計画がいいと思います。
いかがでしょうか。