「説明型授業」ではなく「質問型授業」(1)

冒頭でも述べましたが、

経験の浅い日本語教師が陥りがちなのが
「説明型授業」。

 

文字通り、教師が語彙の意味や文型の使い方
などについて懇切丁寧に説明するスタイルの
授業のことです。

 

例えば、テキストに「自由」という新出語彙
が出てきたとします。

 

「説明型授業」だとこんな感じになるでしょう。

 

教師:はい、「自由」というのは、これこれこういう
意味で、例えばこんな例文ができますね。

この例文の意味は、これこれこういう意味です。

また、「自由」にはこれこれこういう意味も
あって、

その時は、例えばこんな例文もできますね。

この言葉を使う時は、これこれこういう点に
注意してくださいね。

学生A:先生、今の説明の●●●の意味は何ですか。

教師:あっ!ちょっと難しかったですか。
●●●の意味は、これこれこういう意味です。
分かりましたか。

学生B:先生、さっきの説明の▲▲▲がよくわかり
ません。もう一度お願いします。

教師:えっ!よくわかりませんでしたか。
▲▲▲はこれこれこういう意味です。
分かりましたか。

学生C:先生、×××がよくわかりません。
どういう意味ですか。

教師:あー、それは先生も分りません。
次の授業までに調べてきますね。

(以下、同様)

 

そして、教師とのやり取りに参加しない学生は、
ほどなく深い眠りにつく(合掌(笑))。

 

この授業、どう思いますか。

 

「学習者の質問が活発ないい授業だ。」

そう思いますか。

 

では、ここで質問です。

 

今のやり取りで、頭をフル回転させて
いるのは、教師ですか、学習者ですか。

 

今のやり取りで、日本語についてあれこれ
考えているのは、教師ですか、学習者ですか。

 

答えは、教師です。

 

学習者は何も考えていません。

 

ただ、「答えちょうだい。答えちょうだい。」
と言っているだけです。

 

それで、日本語力がつきますか。

 

しかも、授業の主導権は明らかに学習者。
(先生、何やってんの?)

 

日本語の授業で、教師の日本語力がスキルアップ
しても、何の意味もないのです。

教師の知識を学習者にひけらかしたって、それは
たんなる自己満足でしかないのです。

 

「説明型授業」の弊害は、大きく2つあります。

1.教師の授業準備が膨大になる(やってもやっても終わりがない)。
2.学習者の日本語力が上がらない(むしろ下がる)。

 

最悪じゃないですか。

 

長くなりそうなので、続きは次回に。

 

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