稲盛和夫に学ぶ高収益教師の作り方-ノウハウに走ることの脆さよ。

先週の直前対策セミナーの帰りの
新幹線の中で、こちらの書籍を読了。

 

稲盛和夫『稲盛和夫の経営塾-QA高収益企業の作り方』
https://amzn.to/31yfbFe

 

稲盛氏の説明はもはや必要はないとは思いますが
念のためアマゾンより引用。

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京セラ名誉会長。1932年生まれ。鹿児島大学工学部卒業。

59年京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。
社長、会長を経て、97年より名誉会長を務める。

84年には第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。
2001年より最高顧問。

また1984年には稲盛財団を設立すると同時に「京都賞」
を創設。

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この書は、盛和塾さながらに、経営者が稲盛氏に
経営相談をする体裁をとっています。

 

その中から。

 

相談者は、若手の経営者。

 

創業12年目で店頭公開を果たすなど、
いわゆる優良企業。

 

自社の技術には自信があり、給与制度は
極めてロジカル。

売上高から変動費を引いた利益を、規定に
沿って社員に振り分ける。

 

しかし、これでは円高などの外部環境の急激な
変化によって売上全体が大きく変動してしまう。

 

これをどうしたらいいのかというご相談。

 

確かに、企業努力ではどうにもならない外部環境
によって、給与が大きく下がれば、社員の士気にも
大きく影響します。

 

皆さんなら、この若手経営者に対して、
どうアドバイスしますか。

 

こういう場合、自身の身近な例に置き換えてみると
我が事として捉えられます。

 

例えば、皆さんが日本語学校の経営者だとして、
教育の質には自信があり、今までの入管審査も問題
なかったとしても、

現実問題として、いつ何時、入学予定者の入管審査が
急に落ち込むか分かりません。

 

入学者が減れば、たちまち経営が行き詰まり、
非常勤の解雇や専任教員の給与カットも考え
なければならない。

 

もし、皆さんが日本語学校の経営者だったら
どのように対処しますか。

 

これに対して、稲盛氏は以下のようにアドバイス
します。

 

以下、引用。

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あなたの会社は今、技術が優れているからうまくいって
いるだけです。

社内に人間的なつながりがないなら、ひとたび技術が
遅れをとれば、会社は競争力を失い、瓦解していきます。

経営者の中には、「私どもの技術は、他者よりも常に
一歩も二歩もリードしています」と自信ありげに言う
人がいます。

たしかにそれは理想かもしれませんが、これだけ技術
進歩が激しい世の中で、そう簡単にできるとは思えま
せん。

技術だけが強い会社というのは意外と脆いもので、
それに勝る新技術が出てきた時、その優位性はたちまち
消滅してしまうものです。

強い会社というのは、技術だけでなく、総合力で優れて
いるものです。

技術力も優れ、販売力も優れ、従業員の心も優れ、
人間関係も優れ、あらゆるものが優れていて初めて
強い会社になるのです。

一つの技術で伸びる会社は、いずれその技術とともに
消えていきますから、技術だけに偏重した考え方では
ダメなのです。(pp.151-152)

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日本語学校、そして日本語教師もまた然りです。

 

たしかに、日本語を教えるうえで専門知識や
スキルは大事です。

 

ある種のノウハウ的なものも必要でしょう。

 

しかし、知識やスキル、ノウハウはいずれ
陳腐化します。

 

私が大学院時代に身につけた知識など、もう
その半分近くは使い物になりません。

 

ましてや、今は変化が激しい時代。

 

インターネットやスマホの普及により、
学びの前提そのものが大きく変化しています。

 

だからこそ、常に新しい知識やスキル、ノウハウ
を学び続ける、そして変わり続けるということは
とても大事です。

 

しかし、そもそも教師というものは、それだけで
完結するものではありません。

 

高収益が出せる出し続ける日本語教師というのは、
特定の分野のみに優れているのではなく、

知識やスキルに優れ、コミュニケーション能力に優れ、
セルフブランディングに優れ、

教師マインドに優れ、人間性に優れ、人間関係に優れ、

あらゆることに優れているから時代の変化に耐え、
高収益をたたき出すことができるのです。

 

しかしながら、そのような高みは一朝一夕にできるもの
ではありません。

 

途方もなく時間のかかる営みです。

 

しかし、目指すべき方向を間違えず、正しい努力を
積み重ねていけば、

少しずつでもその高みに近づいて行くのです。

 

とはいえ、もちろん私もまだ道半ば。

 

ただ、

「正しい道を歩んでいる」

という自負が、誇りというささやかな自分の支えに
なっていると感じるのです。


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