チェック記号「∨」は、正解?不正解?

今日の後期最初の日本語の授業。

受講生は中国2名、台湾1名、韓国1名の計4名。
レベルは中級ど真ん中。

 

最初の授業なので、授業説明オリエンテーションと
教材のさわりをちょっとだけやってみました。

 

テキストはこちら。

石澤徹他『語彙ドン! [vol.1] ―大学で学ぶためのことば』
https://amzn.to/305PRtq

タスクがたくさんあって、なかなかいい教材です。

 

で、課の最初のタスクが、新出語彙がリストアップ
されていて、

「意味が分かるものには「〇」をつけてください。
また、読み方がわかるものは書いてください。」

というもの。

 

本作業に入る前に、今の自分の知っている語彙、
知らない語彙をはっきりさせ、

自分にとって学ぶべき語彙を意識してから本作業に
行こうというのが、このタスクのねらいなんですね。

 

そこで、学習者に1課分のコピーを配り、
(もちろん、教材は学習者に買わせます。)

「じゃあ、やってみて。」

と、させてみました。

 

そうすると、ある学習者が記入欄にチェック記号
「∨」をどんどん書いていくのです。

 

「ははーん、そう来たか。」

知ってはいるものの、いい機会だったので
その学習者に、

「その記号は、どういう意味?」

と聞いてみました。

 

その学生は、逆になぜそのような質問をするのか
分からないといった様子。

 

そこで、私はおもむろにホワイトボードに
「Yes」と「No」を縦に板書し、

「皆さん、皆さんの国や地域では、Yesや正解は
記号でどう書きますか。

Noや不正解は記号でどう書きますか。」

と聞いてみました。

 

ちなみに、日本ではYesや正解は「〇」
Noや不正解は「×」かチェック記号「∨」ですよね。

 

結果、(あくまでも留学生の話ですが)

中国では、Yesや正解はチェック記号「∨」
Noや不正解は「×」。

台湾と韓国では、Yesや正解は「〇」かチェック記号「∨」
Noや不正解は「×」。

とのこと。

 

そこで、私は、

「日本では、チェック記号「∨」は「×」と同じです。
気をつけてくださいね。」

と説明。

 

留学生の中には、驚く者もいれば、

「先生、私、それ知ってます!」

という者も。

ちょっとしたことですが、こういう些細なことで
ミスコミュニケーションが起こるのです。

 

だから、こういう些細なことこそ知っているという
ことが意外と大切なんですね。

 

こういうことは、いわば非言語コミュニケーション
に入りますが、

記号に限らず、ジェスチャーなども文化圏によって
伝える意味に違いが出るものがあります。

 

例えば、日本では顔を横に振るのは「No」の意味ですが、
スリランカでは「Yes」の意味なのだそうです。

 

知らないと、大変なことになりますよね。

 

新学期で新入生が入ってくる時期、

授業の合間にこういう話題を1つ差し込んでみるのも、
和やかに異文化理解ができていいですよ(^_^)


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