中級の精読授業で教師が説明してはいけない理由。

以前、本学の学生を相手に(全員日本人。)、
『中級から学ぶ日本語』を使った精読活動の
模擬授業を指導しました。

そこで気づいたことを1つ。

それは、

文章の内容でも、その背後にある日本事情的な
事柄でも、あるいはそこに出てくる文型や語彙
においても、

「よほどのことがない限り、教師が説明をしては
いけない。」

ということです。

 

ギクッ!という方、いませんか?

もしかして、精読の授業でいろいろ説明
していませんか?

 

「教師が説明しなくて、いったい誰が説明するんだ。」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

実際、私が担当している学生(教員養成受講生)の
中にも、文章の説明に終始する学生は結構います。
(というか、ほとんど。汗。)

中には、専門書に書いてあった専門用語をそのまま
使って説明してしまうことも。

ですが、そういう学生に私は決まってこう言います。

「あなたの説明を学習者が正しく理解したかどうか、
あなたはどうやって確認するんですか。」

大抵の場合、そこで学生ははたと気がつきます。

「例えば、あなたが英語を勉強しているとして、
アメリカ人の先生に英語でずっと説明されたら
あなたは理解できますか。」

そう考えてみると、なおよくわかるかと思います。

 

私たち教師は、相手が中級レベルの学習者である
ということを忘れてはいけません。

 

教師の説明だけで理解できるような学習者は、
かなり理解力のある学習者で、

そういう学習者は、往々にして独力で読んでも
文章の内容が理解できる学習者です。

他の学習者は、間違いなく置いてきぼりを食う
ことになるでしょう。

これでは、授業としては決して合格点とは
いえませんね。

 

教師が説明する授業の弊害は他にもあります。

それは、

「学習者は教師からの説明を待つだけの受身的な
学習に終始してしまい、

結果、文章を読まなくなる。考えなくなる。」

ということです。

まさに、口をあんぐり開けて餌を待つひな鳥状態。

これでは、何のための精読授業かわかりません。

 

逆に、「説明をしない」に徹した授業であれば
あるほど素晴らしい授業であると言えます。

なぜなら、教師が説明をやめると、

その分、学習者が自分で文章を読んで、
いろいろ考えながら内容を理解しなければ
ならなくなるからです。

つまり、読解力がつくのです。

 

とはいえ、教師が何もしなければそうした
好循環は生まれません。

そこではやはり独特の指導スキルが必要に
なるわけです。

逆に、このスキルを体得すると
学習者の読解力は飛躍的に向上すると同時に、

教えるほうも精読授業がむちゃくちゃ
おもしろくなります(^_^)。

 

では、教師は説明の代わりに何をしたらいい
と思いますか。

今回は“説明”しません(笑)

ぜひご自身の頭で考えてみてくださいね^^


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