『みんなの日本語』練習Cを発展練習させる凄ワザ!

vol.1298で

「読み手を意識した作文を書かせるための指導アイデア。」

をご紹介いたしましたところ、

早速、読者のN.N様より以下のようなお便りを頂戴
いたしました。

N.N様、お便りありがとうございました(^_^)

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昨日の「読み手を意識した作文アイデア」
今日、早速試したところ大変よい授業になりました。

篠崎先生にお礼を言いたく、メールしました。

できる日本語初中級で「忘れられないことば、好きな
ことば」の作文を書くという授業でしたが、どのように
したらよいか悩んでいました。

また忙しくて授業前日の昨日の夜まで準備ができずに
いたところに先生のメルマガが届き、これだ!と思い
早速、今日授業に取り入れました。

毎回作文は学生から「わからない、書けない」といわれ、
苦労していて、今回もネタ出しが大変と言われてました。

今日は教科書や指導書に出ていた進め方を参考に

「自分の好きなことばを隣の人と話す」
「それはどんな意味か隣の人に話す」
「だれに言われたか、どんな時にいわれか話す」

と順を追って進めて行きました。

最後まで行ったところで、作文用紙を渡すと、どの学生も
すんなりと書き始めました。

今も添削していますが、良い作文が多く、的外れな作文も
ありません。

なんだか魔法にかかったような感じで感動しました。

今日の作文を読むと読み手を意識するというのも自然に
できてると思います。

いつも色々なアイデアを教えていただきありがとう
ございます。

ポッドキャストも質問を取り上げていただきありがとう
ございます。

楽しみにしております。

引き続きよろしくお願いいたします。

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> なんだか魔法にかかったような感じで感動しました。

はい、魔法をかけました(笑)

やっぱりですね、実際にやってみるとご紹介した
アイデアの良し悪しが本当にわかると思うんですね。

N.N様、またいろいろ試して、その結果を送って
くださいね(^_^)

というわけで、気を良くした私は(笑)今回もちょっとした
指導ネタを(^_^)

今回ご紹介するのは、『みんなの日本語』の著者
田中よね先生のセミナーで田中先生に教えていただいた
指導方法です。

 

ちなみに、皆さんは『みんなの日本語』練習Cを
どのように授業で扱っていますでしょうか。

 

基本的には学習者をペアにしてA役の人とB役の人に
わけて練習させるというのが、オーソドックスなパターン
かと思います。

 

しかし、それだけで終わると何とも芸がないというか
味気ないですよね。

 

できればもっとより実践的な会話につながるような
発展的な会話練習になるようにカスタマイズしたい。

 

そこで田中先生が教えて下さった指導の技を紹介
しましょう。

 

たとえば13課練習Cの1番。

 

この課は「~がほしいです」「~たいです」が
導入文型なんですね。

 

以下、練習Cの1番。

A:すみません。「おはようテレビ」ですが、
今何がいちばん欲しいですか。
B:広いうちが欲しいです。
今のうちは狭いですから。
A:そうですか。
どうもありがとうございました。

 

これをただ読みながら練習するだけでは、学習者は
うつむいての会話になってしまいます。

 

そこで田中先生がおっしゃったのは、
できるだけイラストを見て行うということ。

 

イラストを見ながらやると教科書の会話例とは
若干ずれるかもしれませんが、

田中先生は

「それはそれでいい、それで『欲しいです』が
正しく使えればOK。」

とおっしゃいました。

 

絵を使って話す分、自分で考えて文を作るわけですから
学習者にとって意味のある活動ですね。

 

もうひとつ、さらに発展させる凄ワザとして
過去の課の練習Cの挿入できるものを挿入して

より長い談話で練習するというもの。

 

今回はテレビのインタビューという設定ですが
これにつながるようなものを過去の練習Cから
引っ張り出すわけです。

 

例えば、第5課の練習Cの3番にこんな会話例が
あります。

A:お国はどちらですか。
B:アメリカです。
A:そうですか。いつ日本へ来ましたか。
B:去年の9月に来ました。

 

これは学習者にとっては学習済みのことですから
難しくはありません。

 

しかし、随分前のことなので忘れてしまっているかも
しれませんね。

 

これを13課の練習C1番に組み込んでいきます。
こんな感じですね。

 

A:すみません、おはようテレビですが
お国はどちらですか。
B:アメリカです。
A:そうですか。いつ日本へ来ましたか。
B:去年の9月に来ました。
A:いま、何がいちばん欲しいですか。
B:広いうちが欲しいです。今のうちは狭いですから。
A:そうですか。どうもありがとうございました。

 

このようにすると、既習項目の復習にもなりますし、

これをさらに、テキストでなくイラストを見ながら行うと
より実践的な会話練習になるということなんですね。

 

ぜひ試してみてくださいね。


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