「総合的対応策(改訂)」を読む(5)。

「総合的対応策(改訂)」を読む。

今回は、5回目。

「総合的対応策(改訂)」とは、下記報告書
を言います。

「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(改訂)」
http://www.moj.go.jp/content/001311603.pdf

今回は「II 施策」のうち、

「2 外国人材の円滑かつ適正な受入れの促進に向けた取組」

の2回目。

特定技能制度が、思いのほか広がらないことを受けて、
政府は「総合的対応策」後の同改訂版で、特定技能制度
への施策を大幅に追加しました。

新しく何かを始めても、すぐには軌道に乗らないのは、
個人に限らず国も同じようです。

ですが、だからと言ってすぐにあきらめてしまえば
それですべて終わり。

成果は出ません。

やはりやれるだけのことはやり切るということが
大事なんだなぁと思います。

では、早速続きを見ていきましょう。

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(3) 悪質な仲介事業者等の排除

【現状認識・課題】

有為な外国人材が安心して我が国を訪れて生活・就労する
ことができるようにするためには、

来日しようとする外国人から保証金や違約金を徴収する等
の悪質な仲介事業者(ブローカー)等の介在を防止するた
めの措置を講ずることが必要である。

また、職業紹介事業者が外国人に転職を繰り返させること
により、

転職先の雇用主からの謝礼金を繰り返し受け取ることも懸
念されることから、適切な国内対策を進める必要がある。

【具体的施策】

○ 技能実習の在留資格について、不適切な送出し機関の関
与の排除等を目的とした二国間取決めの作成に至ってい
ない中国等の送出し国について、

引き続き協議を進め早期の作成に努める。
〔法務省、厚生労働省、外務省〕《施策番号 23》

○ 「特定技能」の在留資格について、悪質な仲介事業者の
排除を目的とし、情報共有の枠組みの構築を内容とする二
国間取決めのための政府間文書を作成した国について、

制度の運用状況等を踏まえ、当該国との情報連携及び協議
を着実に進めるとともに、必要に応じ、政府間文書の内容
の見直しを行う。

また、かかる政府間文書の作成に至っていない国であって
送出しが想定されるものとの間では、

同様の政府間文書の作成に向けた交渉を引き続き進める。
〔外務省、法務省、厚生労働省、警察庁〕《施策番号 24》

○ 技能実習及び特定技能以外の在留資格に基づく外国人の
受入れについても、

政府間文書を作成した国との間では、相手国において悪質
な仲介事業者等に対して厳正な対処がなされるよう、

相手国政府への積極的な申入れや平素からの情報交換等を
行うほか、

文書の作成に至っていない国との間では、必要に応じてそ
の作成に努める。
〔外務省、法務省、厚生労働省、文部科学省〕《施策番号 25》

○ 留学生について、国内外の悪質な仲介事業者等を排除する
ため、我が国において把握した外国の悪質な仲介事業者等
を当該国の政府に通知するとともに、

外国政府において帰国した学生等から悪質な日本語教育機
関の存在を把握した場合には我が国においてその通知を受
ける仕組みの構築に向けた取組等を進める。

加えて、不法滞在者や資格外活動違反者等が多く利用して
いた仲介事業者を利用している場合は、

在留資格認定証明書交付申請における審査に当たり、日本
語能力や経費支弁能力等に係る書類の提出を求めるほか、

必要に応じて高校卒業事実の確認のため、関係国の協力を
得て、卒業証明書に公的機関の認証を求めるなど、審査の
厳格化を検討する。

また、我が国において把握した外国の悪質な仲介事業者を
当該国の政府に通知し、必要に応じ当該事業者への対応が
なされるよう申入れを行う。〔法務省、外務省〕《施策番号 26》

○ 法務省、厚生労働省、警察、文部科学省及び外務省は、必
要に応じ、技能実習生・特定技能外国人等からの聴取、関係
団体からの報告、

実習実施者・受入れ機関等に対する立入検査、送出し国政府
からの情報提供等を通じて国内外の悪質な仲介事業者等の存
在を把握したときは、

その情報を相互に提供するとともに、外国人技能実習機構に
提供する。
〔法務省、厚生労働省、警察庁、文部科学省、外務省〕《施策
番号 27》

○ 法務省、厚生労働省、警察、文部科学省、外務省及び外国人
技能実習機構は、

技能実習生、特定技能外国人、留学生等の受入れに係る外国の
悪質な仲介事業者等に関する情報を把握したときは、

必要に応じ、当該国の政府に対し、その情報を提供し、当該仲
介事業者等に対し厳正な処分がなされるべきことについて申入
れ等を行うとともに、その情報を相互に提供する。

法務省、厚生労働省及び外務省は、国内外の悪質な仲介事業者
等に関する情報提供を得たときは、

当該仲介事業者等を排除するため、当該情報を所管法令に基づ
く調査や査証審査に活用する。

また、法務省及び厚生労働省において、技能実習生については
関係する監理団体等に対し、特定技能外国人等については国内
にいる当該仲介事業者等又はその関係者に対し、

それぞれ、悪質な場合は法令に基づいて適正に行政処分を行う。

さらに、必要に応じ、捜査機関において犯罪捜査を行うなど適
切に対処するとともに、これらの取組の状況等を白書等により
定期的に公表する。
〔外務省、法務省、厚生労働省、警察庁、文部科学省〕《施策
番号28》

○ 外国人材の円滑かつ適正な受入れの促進に向けた取組や外国人
との共生社会の実現のための受入れ環境整備等に関して情報共
有・意見交換をするため、

国際会議を開催するなど、関係国等との情報交換の枠組みを構
築し、連携強化を図る。〔法務省〕《施策番号 29》

○ 法務省においては、技能実習生・特定技能外国人等の入国前
に、在留資格認定証明書について厳格な審査を実施し、

悪質な仲介事業者等の関与が認められた場合には当該技能実習
生・特定技能外国人等の入国を許可しないなどの措置を講ずる。
〔法務省〕《施策番号 30》

○ 職業紹介事業者がその職業紹介により就職した外国人に対し
て早期の転職を勧奨する等の不適切な行為を防止するため、

職業安定法に基づく指針の周知・啓発を行うとともに、違反が
認められた場合には厳正に指導する。〔厚生労働省〕
《施策番号 31》

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現行の技能実習制度が、国際社会から「人身売買」と
批判されたり、

法律をはるかに逸脱した労働環境で働かざるを得ない
状況下にある理由の1つに、

【本国では到底返済できないほどの借金を抱えて
来日する。】

というのがあります。

恥ずかしい現実ですが、そうした借金漬けになって
半ば無抵抗な外国人労働者を、日本の多くの企業が
利用しているわけです。

しかも、技能実習生を雇用している企業の約7割が
何らかの法令違反を犯しているというから驚きです。

そして、技能実習生の借金の背後には、悪徳な仲介
事業者の存在があります。

政府もそのことを十分認識ているからこそ、悪質な
仲介事業者の排除する施策を、上記のように打って
来ているわけですね。

こうした施策に実行力を持たせるためには、単に
提出書類のチェックだけでなく、

国内外での徹底的かつ定期的な立ち入り検査が必要
なのではないかと思います。

もちろん、それを実行するためには人件費をはじめ
とした大幅なコストかかるわけで、

費用対効果的にやる価値があるのかという根本的な
ところを見極める必要があるかなと思います。

みなさんは、どのように考えますか。


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