童話作家グリム兄弟の別の顔とは。

歴史言語学・比較言語学の分野で有名な法則に

「グリムの法則」

というものがあります。

これは、

サンスクリット語、ラテン語、ギリシャ語で
[p]で始まる語の多くがゲルマン語では[f]で
始まっている

という音韻対応の法則。

これにより、

「上の言語は、みんな親戚縁者だね。」

という結論になるわけです。

グリムというと、童話作家のグリム兄弟を
思い浮かべると思いますが、

実は、この「グリムの法則」のグリムは
まさにグリム童話のグリムと同一人物!

「なぜ、童話作家が言語学に首を突っ込んだ
のか。」

という疑問を持たれるかもしれませんが、

実はそれは逆で、

ヤーコブグリムはもともと言語学者で、

その彼が研究のかたわら童話の編纂をした
ということなんですね。

なぜ、

研究活動の忙しいさなかに
そんなことをしたのか。

当時、言語学者が研究を進める上で一番
大変なのは、

生の言語データの収集。

必要な言語データを、いかにして効率よく
大量に収集するか、というのが

研究活動を進めていくうえで非常に重要な
わけです。

とにかく調査する地元の方にじゃんじゃん
しゃべってもらわないといけない。

どうしたらいいと思いますか?

最も手っ取り早い方法は、

そこの地域に昔から伝わる昔話や童話を
話してもらうという方法。

「この地域の昔話をはなしていただけ
ませんか?」

というと、その土地の人喜んでじゃんじゃん
しゃべってくれるわけですね。
(酒が入るとなおよし(^_^))

それを書きとった言語データをもとに
分析して研究すると。

グリムがそうやって研究を続けるうちに、
たくさんの童話や昔話を収集したことは
容易に想像できます。

ここから先は私の推測なんですが、

おそらくは、書斎の大部分を占拠する
膨大な言語データを前にして、

「これ、なんか金にならんかな。」

というふうに考えたんじゃないかと
思うのです。

「これをうまくまとめて童話集として
出版したら、売れんじゃね?」

かくして誕生したのが、聖書に並ぶほど
広く読まれたと言われる『グリム童話』。

(えらい、儲かりましたなぁ(笑))

このように、

研究者というのは、ただ研究するだけだと
研究資金があっという間に底をついてしまうので、

研究を続けるためにも、どこかでキャッシュ
ポイントを作らなければならない。

昔の研究者もいろいろ自分なりに考えてやって
きたというわけなんですね。

そう言えば、トロイの遺跡の発掘で有名な
ドイツ人研究者シュリーマンも、

考古学者という顔のほかに、実業家としても
有名。

そんな逸話も込みで勉強すると、

検定試験対策も結構楽しみながら
続けられるんじゃないかなと思います。


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