『日本語教育の推進に関する基本的方針』を読む(その9)

『日本語教育の推進に関する基本的方針』を読む

の第8回目です。

報告書はこちら。

日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進
するための基本的な方針の閣議決定について:文化庁
https://bit.ly/3hTmIai

今回は、

「第2章 日本語教育の推進の内容に関する事項」

の7回目。

「1 日本語教育の機会の拡充
(2)海外における日本語教育の充実
イ 海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育

についてみていきます。

在外日本人児童生徒に対する日本語教育というのは、
日本国内にいる限りは、あまりピンと来ないかもしれ
ませんが、とても大事な日本語学習者。

日本に住む同年齢の児童生徒に比べれば、圧倒的に
日本語に触れる機会が少ないわけですから、

相応のサポートがないとやはり日本語力は年齢相応に
伸びていくのは難しいんですね。

また、彼らはいずれ日本に帰国し、日本でさらに進学する
可能性が高いことを考えれば、

日本語教育はもちろんのこと、受験勉強や日本事情などの
教育も必要。

では早速。

以下、引用。

============================

イ 海外に在留する邦人の子等に対する日本語教育

海外在留邦人の子に対する日本語教育は,将来,日本へ
帰国した際の就学や就職等に当たっての備えとしても重
要である。

また,海外に移住した邦人の子孫等は,我が国と在留国と
の間の交流や在留国における親日層の拡大における活躍に
加えて,

多様な言語・文化背景を持つグローバル人材としての活躍
が期待できることから,

これらの者が日本をルーツに持つことを認識し,我が国に
関する理解を深めることを促すため,これらの者に対する
日本語教育支援に必要な施策を講ずる。

【具体的施策例】

・海外に移住した邦人の子孫,外国人と日本人を両親に持
つ子に対する日本語教育環境について,

JFを通じ,日本語学習の形態,日本語教育を行う機関
の現状や課題等,その実態の把握に努め,現地の日本語
教育を行う機関等と連携しつつ必要な支援を実施する。

・海外在留邦人学齢児童生徒に対し,国内の義務教育教科
書無償給与制度の趣旨に沿って教科書の無償給与を行う
とともに,

在外教育施設における教育環境機能の強化を図るため,
教師の派遣,校舎借料・現地採用教師給与・安全対策費
への援助,教材整備等の支援を行う。

・中南米地域の移住者等により構成された団体の実施する
日本語教育を支援するため,

これらの団体が実施する日本語教育の実態の把握に努め,
JICAを通じて,日本語教育に協力するJICA海外
協力隊を派遣するほか,

研修を通じた現地日本語教師の育成や同団体に対する助
成金の交付を行う。

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海外には、約7万8千人の義務教育段階の日本人児童
がいます。

彼らは、主に日本人学校や補習授業校で日本在住の
児童生徒と同じ教育を受けています。

ただ、先ほども言った通り、日本語に接する機会は
圧倒的に少ないわけですし、

情報もリソースも少ないわけですから、国からさまざま
な支援が必要になるわけですね。

海外在住の日本人児童生徒の概要については、文部科学
省の下記パンフレットが参考になります。

海外子女教育の概要
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/001.htm

ただ、このパンフレット、以前は毎年発行されて
いたのですが、

今見たところ、平成28年度版から更新されていない
ようです。

こういう統計資料は、きっちり毎年出していただきたいですね。


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