自律学習の光と影。

自律学習とは、

▼学習者が自ら学習を計画し、
▼目標達成のための手段を考え、
▼その過程や結果の評価まで行う

学習スタイルのことを言います。

日本語教育(特に研究サイド)では、この自律
学習というのを重視しており、

できるだけ学習者を自律学習の方向にもっていく
ことがよしとされています。

理由はいろいろありますが、

一番の理由は、学習者自身が意思決定することに
よって、自分の言動に責任を持つようになるという
こと。

それによって、学習者が自らを律するようになり
(だから自律)

結果、学習の促進につながるという考えなんですね。

私もこの考え方に基本的には賛成です。

実際、学力が上がる学習者というのは、目的意識が
明白で、そのためにやるべきことも心得ており、

そして、常に積極的な行動と内省を繰り返し、少し
でも成長しようと努力している。

一方、成績が上がらない学習者というのは、
そもそも目的意識が弱く(あるいは、なく)、
そのため何をするにも消極的。

他人の指示命令があってようやく重い腰を上げる
というありさまで、そして口癖は、

「言われたようにやりました。
でもできませんでした。」

これでは、上がる成績も上がらないですよね。

また、教師側から見ても余計に手間がかかるのは
明らかに後者。

前者は、極論すれば放っておいてもどんどん株を
上げていき、こっちは特に何もしてないのに、

「先生のおかげで日本語が上手になりました!」

なんてお礼まで言ってくる。

一方、後者は、木の丸太にマッチで火をつけようと
するようなもので、

とにかく、やる気にさせるのに恐ろしいほど手間
暇がかかるわけです。

このように考えると、学習者を自律学習に向かわ
せるほうが、いろいろな意味でメリットがあるわ
けです。

しかし、この自律学習、メリットばかりではあり
ません。

デメリットもあります。

いくつかありますが、私が最も注目しているのは、

「学習者に任せすぎると、結果的に多くの学習者が
途中でドロップアウトしてしまう。」

ということです。

これは、学習開始当初のやる気や目標意識の強弱と
はあまり関係がありません。

はじめは無茶苦茶やる気があった学習者であっても
3日もたてば熱が冷めることはよくあることです。

そう、熱が冷めるのです。

そもそも人間にとって最も難しいことは、継続する
こと。

自律学習というのは、常に「途中でドロップアウト
する」というリスクを裏側に背負っているんですね。

では、このリスクを回避し、最後まで自律的な学びを
学習者に続けさせるためには、どうしたらいいので
しょうか。

ハイ、みなさんへの宿題です(^_^)

考えてみてくださいね。


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