自動詞・他動詞の定義を正確に40字で答えよ。

検定試験対策であれ、現場での指導であれ、

専門用語の定義を正確に言語化できる
というのは、とても大事なことです。

なぜなら、その定義が重要な判断基準に
なるからです。

どんな業種業態であっても、判断基準が
曖昧であったり、ブレたりしたら、
絶対にいい仕事はできませんよね。

日本語教育も、まったく同じです。

例えば、「自動詞」と「他動詞」。

検定試験でも、教育現場でも、よく
使われる超基本的な専門用語です。

例えば、「開く」は自動詞、「開ける」
は他動詞です。

下の例を見てください。

例1)ドアが開く。(自動詞)
例2)ドアを開ける。(他動詞)

では、「自動詞」と「他動詞」の定義を
正確に言うとどうなりますか。

「そりゃあなた、

動詞の前に『が』があるのが自動詞で、
動詞の前に『を』があるのが他動詞よ。

あたりまえでしょ。」

なるほど。

では、下の例文に示された「飛ぶ」
という動詞は、自動詞でしょうか、
他動詞でしょうか。

例)【飛ぶ】
鳥が空を飛ぶ。

先の説明で言えば、動詞の前に「を」が
あるので、他動詞ということになりますね。

でも、正解は自動詞です。

なぜなら、ここでの「飛ぶ」は、
鳥が一羽で勝手にやっている動作
だからです。

「その説明じゃ、確かに『飛ぶ』が
自動詞なのはわかるけど、

他の動詞だとどう考えていいのか
わからないよ。」

おっしゃる通り。

だから、どんな動詞でも仕分けられる
ような汎用性の高い、

それだけに抽象度が高い定義が必要に
なるんですね。

というわけで、自動詞、他動詞それぞれの
定義を言うと、以下のようになります。

【自動詞】
主体の自発的、自然発生的な動作や変化を
表す動詞。「~ガ動詞」の形をとりやすい。

【他動詞】
主体が他の対象に働きかける動作を表す動詞。
「~ガ~ヲ動詞」の形をとりやすい。

このように定義すると、

「なるほど、自動詞は「【自】発的、【自】
然発生的だから、【自】動詞なのか。」

「なるほど、他動詞は【他】の対象に働き
かけるから【他】動詞なのか。」

と、ご理解いただけるのではないかと
思います。

用語の定義って、本当に大事なんです。

特に、基本的な用語であればあるほど
定義を正確に知っておくということは
大事です。

なぜなら、基本的な用語であればあるほど、
使用頻度も高いし、使用場面も多いからです。

翻って、先ほどの例文について改めて
考えてみましょう。

例)【飛ぶ】
鳥が空を飛ぶ。

この時の「飛ぶ」は、あくまでも主体である
「鳥」の自発的な動作なので、自動詞と
言えるわけですね。

「えっ!でも『を』があるじゃん。
これはどう考えたらいいの?」

そう思われるかもしれません。

この時こそ、他動詞の定義を思い出しましょう。

【他動詞】
主体が他の対象に働きかける動作を表す動詞。
「~ガ~ヲ動詞」の形をとりやすい。

普通、「他の対象」を日本語では「を」で
示します。

例えば、

例)篠崎がラーメンを食べる。

(※篠崎の例文には、ラーメンが頻出します。)

では、ここでの「空を」の「を」は対象
を表すか、という話。

違いますよね。

この時の「を」が表しているのは、
対象ではなく、場所です。

だから、

「動詞の前に『を』があるのが他動詞よ。」

なんて、形から入ったら判断ミスを犯して
しまうんですね。

学習者にこんな説明をしたら、みんな
間違ってしまいます。

【専門用語は定義が命。】

肝に銘じてくださいね。


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