化石化教師にならないために(その2)

前回、

化石化教師にならないためには、
常に学び続けること、

そして、日常的に思考や知識をアップ
デートしていくことが大事だ、

というお話をさせていただきました。

これはとても大事なことで、

いくらその重要性を話しても話し
足りないぐらい重要です。

ですが、化石化教師にならないために
さらに重要なことがあると、

私は考えています。

それは何かというと、

教師としてどこに軸足を置くか
ということです。

具体的には、

「特定の指導法やツールに軸足を置く
のではなく、

あくまでも学習者のニーズやウォンツ
を満たすことに軸足を置く。」

ということです。

なぜなら、

指導法やツールは、単なる手段であり、

学習者のニーズやウォンツを満たす
ことこそ、教育の目的だからです。

例えば、

目の前の社会人の学習者に対して
4技能をバランスよく向上させたいと
教師が思っても、

学習者から、

「いやいや、会話だけ教えて
もらえればいい。」

と言われれば、学習者の言葉が正解だ
ということです。

このように言うと、

「日本で生活する以上、読み書きの
必要性もあるわけだから、

早いうちからバランスよく勉強
させた方がいいではないか。」

という方がいらっしゃいます。

確かに、4技能すべてがバランスよく
できれば、それに越したことはありま
せん。

ですが、そうなるためには、相応の
時間や労力や費用がかかります。

従って、リソースが限られている
場合は、学びの優先順位を決めなけ
ればならないわけですね。

そして、それを最終的に決めるのは、
あくまでも学習者。

だから、学習者の判断が唯一の
正解であり、

私たち教師は、それにできるだけ
合わせていかなければならないの
です。

このように言うと、

「ということは、教師は学習者の
下僕なのか。」

のようなことを言う方がいますが、
それは、大きな勘違い。

私は学習者に魂を売れと言っている
わけではありません。

プロの教師として、学習者の期待に
十二分に答える教育サービスを提供
しましょうよ、

と言っているだけです。

ただ、これが大変難しい。

なぜなら、手持ちの知識やスキルだけ
では対応しきれないからです。

だから、教師は常に学び続けることが
必要であり、

学び続け、変化変容を続ける限り、
化石化する暇などないのです。

それから、もう1つ。

特定の指導法やツールに軸足を
置いてはいけない理由。

それは、指導法やツールはいずれ
陳腐化するからです。

例えば、今ならみなこぞってZOOMを
はじめとした、

さまざまなICTツールやアプリの使い
方を勉強なさっていることと思います。

そのこと自体は、とてもいいこと
ですし、まさに旬の学びです。

ですが、これらにどっぷり軸足を
置いている、

すなわち、これらを学ぶことが
目的化してしまうと、

陳腐化した時に教師として心身ともに
頼るものを失ってしまうんですね。

一方、学習者のニーズやウォンツは
尽きることがありません。

彼らの尽きないニーズやウォンツに
応え続ける限り、

私たち教師の成長もまた、終わることが
ないのです。

時代の変化や学習者の多様なニーズに
対応しながら、

教育の本質を追い求めていくことが、

息長く日本語教師ライフを続ける
コツなのではないかと思います。


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