コロナは一過性のものではなく時代である(その3)
前回、
今後、私たち日本語教師が考えなければ
ならないのは、
「どの学習者をターゲットとし、
どのような特色のある教育で差別化することで、
自分をマーケットにどう認知してもらうか。」
ということ。
つまり、セルフブランディングである、
というお話をしました。
今回は、その続きです。
セルフブランディングというのは、
有体に言ってしまえば、
「自分という人間を多くの人に
知っていただく。」
ということになるわけですが、
今後は、「人となり」が指導方法以上に
重要になってきます。
大事なことなので、再度言います。
今後は、
【指導技術の高低より、教師の人となり
のほうが重要。】
です。
なぜなら、もう指導方法はある程度
経験を積んで、ある程度のクオリティ
に上がれば、
もう指導方法で差別化することができ
なくなるからです。
典型的なのが、初級文型導入の授業。
例えば、授受表現の導入といったら
もうだいたいプレゼントをあげるだ
もらうだといった場面設定ですし、
動詞のテ形の導入も、もうだいたい
確立されています。
受身にしても、まず能動文を提示して
主語を替えて受身にするお決まりの
導入パターン。
誰がやっても大同小異。
もうそこで差別化は起こらないのです。
では、学習者が授業や教育サービスを
選ぶ決め手は何か。
それは、自分が知っている教師や
お気に入りの教師の授業かどうか
ということ。
つまり、人で選ぶのです。
こういうと、
「『特色のある教育で差別化する』と
矛盾するじゃないか。」
と思われるかもしれませんが、案外
そうでもありません。
なぜなら、ここで言う「教育の差別化」は
教育技術というより、教育上の立ち位置の
ことだからです。
話を「人で選ぶ」に戻しましょう。
これは、皆さん自身の消費行動にも当て
はまるのではないでしょうか。
例えば、どこか食事に行く時、
どうせ行くならお知り合いの方が
やっているお店に行きませんか?
あるいは、お寿司を食べるのであれば、
鮨の味もさることながら、
そこの大将がいい人だからという理由で
お店を選んではいませんか。
(私は行きませんが)夜のスナックに
行くとしたら、完全にママ目当てで
あって、お酒目当てではないでしょう。
つまり、人で選んでいるわけです。
実際のサービス内容で差別化が難しい
以上、今後は「人」がサービス選択の
判断基準になるでしょう。
となれば、私たち教師はこれから何を
しなければならないかというと、
会う前から自分について知ってもらう
媒体を持つこと。
つまり、サイトやブログ、YouTubeチャン
ネル、facebook,twitterなど、
さまざまなインターネットメディアを
使って、
セルフブランディングに沿った情報発信を
しなければならない、
ということなのです。
自分自身が運営するメディアのことを
オウンドメディアと言います。
今後は、オウンドメディアを戦略的かつ
積極的に活用し、
多くのファンやフォロワーを獲得する
ことが、
コロナ時代でもしたたかに生き抜き、
常に行列ができる日本語教師になるための
必要条件と言えるのです。