日能試読解。「ポイントだけ読む」指導がダメな訳。

篠研の日本語の教え方セミナー
「日本語能力試験N2対策指導法
-科目別指導のポイント-」
(2022年3月21日)

にお申込いただいたS.T様よりお申込
アンケートを頂戴いたしましたので
ご紹介いたします。

S.T様、セミナーお申込並びにアンケート
ご回答、ありがとうございました。

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Q1:本サービスをお申込みする前に
どんなことで悩んでいましたか。

本格的(半年など継続して対策授業だけをする)
な能力試験や留学試験対策をしたことがなく、
特に読解をどのように教えるかが分かりません。

読解に関して、よく本やインターネットなどでは、

「問題文から読む」や
「本文を全部読まなくていい」
「ポイントだけ読む」

などと書いてありますが、その方法で果たして
本当にいいのかどうか。

私が外国語で(国語も)読解問題を解く際を
思い返してみて、問題文から読んでもさっぱり
分からないし、

ましてや本文のポイントがどこかなど瞬時に
判断できなかったこともあります。

読解が苦手でしたので、問題練習をあまりしな
かったのも原因だと思います……。

が、ですので、効率の良い練習方法、解き方が
あるのかずっと分からず、

さらにそれをどう教えていいのか悩んでいます。

Q2:何がきっかけで、本サービスを知りまし
たか。

インターネットのサイトで見ました。

Q3:本サービスを知ってすぐに申し込みました
か。しなかったとしたらなぜですか。

自己投資として、有意義な時間になるだろうとは
思いましたが、

2万円という金額は決して安くはありませんので
すぐに申し込まず少し考えました。

Q4:本サービスをお申込みいただいた決め手は
何ですか。

能力試験については、自分の苦手としているとこ
ろで、またこのように勉強する機会がなかなか
ないので申し込みました。

======================

私がこのお便りを読んで、いの一番に目が
行ったのは、

> 「ポイントだけ読む」
>
> などと書いてありますが、その方法で果たして
> 本当にいいのかどうか。

というところ。

結論から言うと、

「いいわけないです!!!」(笑からの憤)

S.T様ご自身も、

「本文のポイントがどこかなど瞬時に
判断できなかった」

とおっしゃっていますが、

これが普通の感覚です。
(だから、S.T様は正しい。)

例えば、皆さんが英文読解が
苦手な高校生だとして、英語教師に、

「先生、どうやったら英文読解に
強くなれるんですか。」

と質問したとします。

すると、その教師が、

「全部読もうとするからダメなんだよ。
大事なポイントだけ読むようにすれば
いいんだよ。」

と言ったら、どう思いますか。

私なら、

「そのポイントがどこかわかんねーから
聞いてんだろーーがよっ!!」

と、声を大にして心の中で叫ぶはず。
(実際は言えませんがね(笑))

逆に、ポイントがどこか自力で抽出
できるのであれば、

そもそも相当な読解力がある証拠。

悩もうはずがありません。

つまり、

「ポイントだけ読む」

というのは、まったくアドバイスに
なっていないのです。

学習者が求めているのは、

文章のポイントをどうやって見つければ
いいのか、

どんな文章でも対応できる、明確に言語化
された読解の方程式
(これを私は「読解の鉄則」と呼んでいます。)

これを、具体的な問題解答を通じて分かり
やすく提示してもらうこと。

これこそ、学習者が教師に求めていること
であり、

学習者の悩みを解決する唯一の方法なんです
ね。

問題は、こうしたニーズに対するソリュー
ションを日本語教師が持っているかという
こと。

思うに、

「本文を全部読まなくていい」
「ポイントだけ読む」

という指導をしてしまうのは、

大きく2つの理由があるからではない
でしょうか。

1つは、日本語教師である前に、日本語
母語話者であることを失念している。

日本語母語話者なわけですから、日能試
レベルの文章は難なく読めるし、

どこがポイントかも直感的に把握できる。

でも、それは自分自身が日本語母語話者で
すでに母語話者レベルの読解力をもって
いるからです。

それと同じものを学習者に無意識に求めて
しまっている。

プロの日本語教師なら、

「なぜここがこの文章のポイントと言える
のか。」

を、学習者が理解できるほどの明確なロジッ
クで説明するべき。

2つ目は、往々にして教師は、まず問題の
正解を確認してから、指導内容を組み立てる
から。

「正解は2番。」

という先入観100%の頭で文章を読むので、

文章を読んでも正解に関係する部分しか
目に入ってこない。

それで、なんとなく解法の筋道が立てば、

「ハイ、これで授業準備OK!」

みたいになって、結果、

「本文を全部読まなくていい」
「ポイントだけ読む」

みたいな変なアドバイスになってしまう
のです。

だから、本物の読解指導スキルを身に
つけたいのであれば、

まずは、学習者と同じように正解が分から
ない状態で問題を解き、

問題を解きながら、答えを導くまでの
自分の思考のプロセスをメタ認知しながら、

答え合わせをして、間違ったところは
自分の考え方のどこが悪かったのか、
深く内省する、

ということを、何度も何度も何度も何度も
繰り返すことが必要なのです。

こういう下準備をしっかりやって
プロの日本語教師です。

だから、

「本文を全部読まなくていい」
「ポイントだけ読む」

などというアドバイスは死んでも言っては
いけないし、

言った時点で「指導力ゼロ。プロ教師失格」
と深く深く懺悔すべきなのです。

「プロ教師として恥ずかしくない指導力を
身につけたい。」

という方は、四の五の言わずに下記セミナーに
ご参加ください。

◆篠研の日本語の教え方セミナー
「日本語能力試験N2対策指導法-科目別指導のポイント-」
(2022年3月21日開催)

篠研の日本語の教え方セミナー「日本語能力試験N2対策指導法 -科目別指導のポイント-」(2022年3月21日開催)

◆篠研の日本語の教え方セミナー
「日本語能力試験N3対策指導法-科目別指導のポイント-」
(2022年3月27日開催)

篠研の日本語の教え方セミナー「日本語能力試験N3対策指導法 -科目別指導のポイント-」(2022年3月27日開催)


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