国際交流基金「2024年度 海外日本語教育機関調査」を読む。(その2)
前回に引き続き、
国際交流基金より出された、
「2024年度 海外日本語教育機関調査」
https://www.jpf.go.jp/j/
を見ていきます。
まず、機関数:地域別増減及び上位10か国
・地域から。
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3.(1)機関数:地域別増減
東アジア 6,928
東南アジア 5,626
南アジア 1,174
大洋州 1,833
北米 1,296
中米 203
南米 467
西欧 1,146
東欧 497
中東・北アフリカ 102
アフリカ 72
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東アジアは前回調査とほぼ同じ。
東南アジアは625機関増。
南アジアは398機関増。
大洋州は110機関減。
依然として東アジアがトップで、
中国と韓国で8割以上を占めます。
また、東南アジアの増加が目立ちます。
この後お話しますが、インドネシアと
ミャンマーが押し上げていると思われ
ます。
次に、上位10か国・地域を見てみま
しょう。
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■機関数上位10か国・地域
1 インドネシア 3,103
2 中国 3,073
3 韓国 2,815
4 オーストラリア 1,595
5 米国 1,155
6 台湾 809
7 タイ 755
8 ミャンマー 685
9 ベトナム 490
10 インド 381
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前回調査では、1位が中国、2位が
インドネシアでしたが、今回逆転し
ました。
実は、前回調査に比べ、中国も
インドネシアも機関数が増加している
のですが、
インドネシアが前回より145機関増
(4.9%増)とかなり伸びています。
その理由を探るべく、国際交流基金の
インドネシアの日本語教育状況の記事
を見てみると、
インドネシア(2023年度)
https://www.jpf.go.jp/j/
以下のような記述があります。
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中等教育
2014年度より日本語パートナーズによる高等
学校における日本語教育支援が開始された。
また、2019年より在留資格「特定技能」が始
まり、制度の定着とともに、日本語教育に関
心を持つ専門高校が増加傾向にある。
学校教育以外
技能実習生・特定技能制度の送り出し機関が
急激に増えており、それに伴い初級レベルの
一般日本語学習者数が大幅に伸びている。
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なるほど。
やはり、技能実習、特定技能が効いているん
ですね。
そして、もう一つ。
ミャンマーの機関数の伸びが激しいです。
前回調査に比べ、495増加。
率にして262.4%増です。
こちらもその理由を調べてみると、
ミャンマー
https://www.jpf.go.jp/j/
「最新動向」で以下のような記述があり
ます。
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外国人技能実習機構(OTIT)によると、2023年
12月現在、ミャンマー政府認定の技能実習生送
り出し機関は425機関である。
また、出入国在留管理庁によると、特定技能送
り出し機関は257機関が登録されている。
昨今の経済状況により、日本での就労を希望す
る者が増えており、
その流れの一環で、JLPT及びJFT-Basicの受験
希望者が急激に増えていることが確認されて
いる。
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やはり、こちらも技能実習、特定技能なん
ですね。
世界的な人材獲得競争が激化している中、
日本を選んでいただいているというのは
本当にありがたいことだと思います。