既存の教材を『参照枠』に落とし込む。(その3)

本テーマの3回目。

今回は、

「評価方法の決定」

についてお話します。

『日本語教育の参照枠』(以下、『参照枠』)
 https://00m.in/nMZtU

では、バックワードデザイン(逆向き設計)
といって、

学習目標を設定した後、すぐさま評価方法
を決定します。

これまでは教える内容と方法を決めた後、
評価方法を決めていましたが、

バックワードデザインでは、その逆を行く
わけですね。

つまり、ゴールから逆算して授業を設計
するというわけです。

ここで一度立ち止まって振り返って
いただきたいのは、

これまで、1回1回の授業のゴールを
意識していたか、ということ。

「いやいや、与えられた進度表に従って
 授業をしてきただけです。」

というのであれば、少し意識を変えて
いただいた方がいいと思います。

もちろん、授業によっては、45分や
50分の授業ごとに目標設定をし、

評価までもっていくのは難しいかも
しれません。

ですが、できるだけ1回1回の授業で
目標を設定し、評価活動もする。

そうすることで、達成度の高い授業
を展開する。

そういうことが、これからの私たちに
求められることなのではないかと思い
ます。

このように言うと、

「じゃあ、毎回毎回テストをしなければ
 ならないんですか。」

と思われるかもしれませんが、
そうではありません。

一番わかりやすく、かつ『参照枠』や

『「日本語教育の参照枠」の活用
 のための手引』
 https://00m.in/jyNcJ

でよく引き合いに出されているのが
ロールプレイ。

初級であれば、

「お互いに自己紹介をしてください。」

ぐらいで数ターンで終わるような
タスクでもいいと思います。

そして、ルーブリックまでしなくても、

□はじめのあいさつ(「はじめまして。」)
 が言える。
□自分の所属が言える。
□自分の名前が言える。
□終わりのあいさつ(「どうぞ、よろしく」)
 が言える。

の項目に、それぞれ

3段階(できる/少しできる/できない)

を付したチェック項目を書いた自己評価
シートを用意して、自己評価させる。

普段の授業であれば、それだけでも
十分いいと思います。

もちろん、中級の読解授業であれば、
授業の最後に簡単な内容理解の問題を
させて(教科書にあればなおよし)、

その結果を記録させてもいいでしょう。

そうやって、1回1回の授業で学習者の
「できる」を積み上げていく。

このように、評価方法の決定というのは、
単にテストを用意するというのではなく、

評価するために、どんなタスクを設計
するか、

そして、それをどのような評価基準で
実施するか。

これらを決めることなんですね。

このように授業を設計することで、

学習者にとっても、教師にとっても
達成感と満足度の高い授業を展開
することができるでしょう。

と同時に、こういう視点で改めて
既存教材を見直すと、

新たな視座が得られ、新たなアイデアが
湧いてくるのではないかと思います。


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