外国人児童生徒等有識者会議資料を読む(その3)

前回に引き続き、

【資料1】
外国人児童生徒等の教育の充実に関する
有識者会議における これまでの議論の
整理(案)
https://www.mext.go.jp/content/20251218-mxt_kyokoku-000046297_01.pdf

です。

第3回目の今回は、タイトルをつけるとすれば、

「日本語指導担当教師等の指導力の向上」

でしょうか。

外国人児童生徒に対する指導を充実させる
ためには、

なんといっても日本語指導担当教員の指導力
の向上が欠かせません。

しかしながら、日本語教員向けの指導方法を
解説した書籍というのは、ほとんどないという
のが現実です。

つまり、まだ指導方法が確立されていない
んですね。

また、日本語指導員の雇用も不安定なのが
一般的。

それでは、問題は解決しません。

この点について、国はどう考えている
のでしょうか。

以下。

———————————————————————

【地域の実態に応じた支援の在り方】

〇集住地域では、既にある事業に対して、子供たち
 の増加に追い付いていない状況がある。

 また、一つ一つの事業のつながりが不十分になっ
 てきていることや、さらなる連携の充実の必要性
 など課題もある。

〇散在地域は、地理的な条件、地域の支援人材の少
 なさなどがあるため、

 その中で、指導体制の構築、指導人材の育成や配
 置をどうすればいいかは重要な課題。

〇指導体制を組む際には、教育行政における外国人
 児童生徒等教育を担う人材の育成も大きな課題。

 指導主事への研修やケース会議への参加を求める
 など、きめ細かく対応する必要がある。

〇初期支援における手厚い対応が重要。特に、来日
 直後の子供たちには、言語面で不安を軽減するサ
 ポートが求められる。

 一方、母語支援員がいないなど、リソースがない
 学校や地域でもできる支援の方法を示す必要があ
 る。

〇散在地域では、支援資源を蓄積する拠点をどうつ
 くるかが極めて重要。

〇全国で日本語指導を充実させるためには、現場の
 先生が指導の際に活用できるような、

 日本語指導の動画コンテンツを教材として充実・
 整備する必要がある。

〇支援体制の整備にあたっては、オンラインの活用
 も必要。

 一方、支援する際には、子供と支援者の関係性を
 築くことが重要であるため、対面と組み合わせて
 支援するといった工夫も求められる。

〇集住地域と散在地域では、組織体制の違いはある
 が、子供たちに提供すべき教育内容や質は、地域
 に関係なく保障する必要がある。

 地域間の格差によって、支援の格差が生まれない
 よう、国として制度、仕組みを整えていくことが
 求められる。

〇自治体として教育研究や教材を開発する仕組みも
 検討が必要。

〇予算の問題は極めて重要。都道府県教育委員会な
 どが市町村教育委員会を支援するといった仕組み
 づくりが重要。

 そのためにも、予算面の負担を考慮し、例えば、
 国として、体制が整っていないところや日本語指
 導体制の立ち上げなどについてきめ細を活用して
 重点的に支援を行うといったことが求められる。

 さらに、きめ細を使った成果の発信が必要。

【校内体制の整備】

〇日本語指導だけではなく、学校全体として、どの
 ように外国人児童生徒を受け入れて、バックアッ
 プ体制を取れるか、

 学級経営ができるかということを、普遍なものと
 してできるようになることが非常に重要である。

〇持続的な体制を作るためには、校務分掌への位置
 づけなど組織的な体制作りが必要であり、

 その際、管理職のリーダーシップやコーディネー
 ターの役割を担う教員の力量が非常に重要である。

〇多文化共生の学校づくりにむけて、外国人児童生
 徒等教育に関する管理職の理解が重要。学校の中
 での日本語指導担当教員の決定や教員の資質能力
 の向上、

 また、地域との連携などは、学校経営の課題であ
 る。

 学校の経営力を高めるためにも、管理職に求めら
 れる役割は大きい。

〇日本語指導は、日本語指導担当教員だけに任せる
 のではなく、

 連携して教科担当の教員が主体的に指導すると
 いう視点は非常に大事。

 連携の仕組みについて検討する必要がある。

〇教員個々人の努力だけでは限界があるため、様々
 な外部人材の協力を得て教員や学校を支えること
 が重要である。

 そのためには協力を得られる体制づくりを構築す
 るための方策について検討が必要である。

【日本語指導担当教員の配置とキャリアパス】

〇教員の数が限られている中での効果的な配置・運
 用の在り方を検討する必要がある。

〇教員の基礎定数等の改善が必要。

 特に高等学校については、公立高等学校入学者選
 抜において、

 帰国・外国人児童生徒を対象とした特別定員枠を
 設定している自治体は、当該校への日本語指導担
 当教師を配置するなど工夫している場合があるが、

 設定していない自治体は日本語指導が必要な生徒
 に対応できる教員の配置が困難である。

〇現状では、散在地域において専門性が生かされる
 ような教員の配置は難しい。

 将来的には、専門人材が巡回可能なエリアに1名
 配置できるような体制をつくり、

 異動においてもその専門性が考慮されることが望
 ましい。

〇日本語指導の専門性を持つことが、キャリアとし
 て、一般の教員の専門性プラスアルファのものと
 して社会的に認知されるような仕組みを、

 大学独自で押し出すだけではなく、文部科学省に
 おいても検討を進め、

 教育委員会は教員の専門性を認めていく動きを積
 極的に進める必要がある。

〇日本語指導担当教師が、専門性を高めキャリアを
 積むことも重要だが、

 担当を経験した後に担任となり、在籍級でその子
 たちの活躍の場を広げるといったこともある。

 最終的には、管理職になるといったことも含めて、
 人事が動いていくことが重要である。

〇日本語指導や外国人児童生徒等教育の担当として
 の勤務経験について、

 教員の職能成長の観点からの積極的な評価や、
 その勤務経験を活かしたキャリアパスの設定、
 人事配置を促進していくことが必要ではないか。

〇人材の活用の在り方について、複数のルートを踏
 まえた検討が必要。

 教員免許を持ちながら登録日本語教員資格を取得
 し、学校での外国人児童生徒等への支援に参画す
 るといった例もある。

【日本語指導補助者(登録日本語教員を含む)や母
 語支援員との連携】

〇日本語と母語の力を活用した資質・能力を育成す
 るための指導を実施していくに当たり、指導体制
 の充実は不可欠。

 とりわけ日本語指導補助者・母語支援員の一層の
 配置促進や教師との効果的な連携に向けて、

 実態把握や具体的な連携の在り方等を示していく
 ことが急務。

〇担任、教科担任、日本語指導担当教師や支援員の
 それぞれの役割や専門性をいかしながら連携する
 ことが求められるため、

 校内のケース会議などで繋いでいく必要がある。

〇母語支援員には通訳だけではなく、教員と連携し
 ながら、子供の強みを引き出すこともできる。

 子供は母語で話すことができることにより安心し、
 他の子供にも、母語や文化を伝えることができる。

 また、特に心理的な部分では、同じルーツの友達
 や先輩とのつながりも重要であり子供たちのネッ
 トワークを活かすといったことも、今後、模索し
 ていくことが重要。

〇支援員の雇用の安定や待遇の改善が必要。

 人材の奪い合いにならないように、地域全体で日
 本語教育を考え、人材の養成を考えていく必要が
 ある。

 また、支援者同士が交流や情報交換できるような
 連携体制が有効である。

【関係機関(支援団体、大学、企業等)との連携】

〇外国人児童生徒の環境を整えるためには、外国人
 保護者との連携は重要であるため、好事例の周知
 が必要。

 例えば、校内会議に保護者をいれている事例もあ
 る。

〇様々な専門性を持つ研究者や学生たちの力がある
 ので、地域貢献や教育・研究を連携させていきな
 がら、

 どのように外国人児童生徒等の支援体制づくりを
 できるのか、難しさも含めて検討が必要。

○関係機関と企業や、支援団体、大学などとの連携
 ・協働の仕方、その連携を支える仕組みづくりに
 ついて、

 例えば、時間や労力・情報の不足、運営の不安や
 個人情報の問題など、関係機関との連携がうまく
 いかない原因も踏まえながら検討が必要。

〇外国人児童生徒等の心のケアも重要。

 子供たちのニーズや課題が複雑化する中で、日本
 語指導補助者や母語支援員だけでなく、

 スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーなど
 の専門人材も入れた連携体制についての検討が必
 要。

3.日本語指導担当教師等の指導力の向上

・管理職・日本語指導担当教師・在籍学級担任や日
 本語指導補助者等の資質能力 向上のための方策

 (日本語指導担当教師等の養成・採用・研修の在
  り方や登録日本語教員の活用に向けた方策を含
  む)

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全体的にかなり強い口調、かつ前のめりな内容
といった印象です。

これだけの社会的役割を担うことを考えると、
日本語教員が国家資格になった意義はかなり
高いと思われます。

これにより、国のバックアップのもとで活動
することができるわけですから。

今後は、学校教育においても、登録日本語教員
の重要性が増し、採用も増えていくでしょう。

そう考えると、自身の活動の幅を広げるために
も、

登録日本語教員資格の取得は、非常に重要なの
ではないかと思います。


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