「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を読む(その8)
シリーズでお届けしている、
「外国人の受入れ・秩序ある共生のための
総合的対応策」
https://www.kantei.go.jp/jp/
今回も続きをお届けします。
今回は
II 国民の安全・安心のための取組
第1 既存のルールの遵守、各種制度の
適正化に向けた取組
の
2 外国人制度の適正化等について
の
(3)日本語教育の充実
のうち、
エ 子供に対する日本語教育
を取り上げます。
児童生徒に対する日本語教育は、
文部科学省が特に力を入れている
分野です。
つい最近もこのようなニュースが
飛び込んできました。
◆日本語指導の充実に向け、支援員らを
学校職員に 国が法令改正の方針
:朝日新聞
https://www.asahi.com/
これまでのように単なるボランティア
や一時的な非正規ではない、
正規職員としてしっかり雇用していこう
という姿勢が伺えます。
国も日本語教員の社会的地位向上に
努めているわけですね。
こういった動きは、今後ますます
増えていくだろうと思います。
そして、今回紹介する項目がその未来
を映し出しているとも言えるわけです。
将来、児童生徒に対する日本語教育に
従事したいと考えている方にとっては
特に興味・関心のある内容なのでは
ないでしょうか。
もちろん、日本語教員試験、日本語教育
能力検定試験においても、
児童生徒に対する日本語教育は毎年の
ように出題されているテーマです。
しっかり読み込んでいきましょう。
以下。
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エ 子供に対する日本語教育
1.現状と問題点
・公立学校における日本語指導が必要な児童
生徒は、約6.9万人(約10年間で1.9倍)と
増加し、母語の多様化も進行。
学校生活に必要な日本語等を身に付けるた
めの特別な指導を受けていない児童生徒も
約1割存在している。
(令和5年度「日本語指導が必要な児童生
徒の受入状況等に関する調査」より)
全ての教員等が質の高い学びを提供できる
ようにすることが求められている。
・「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況
等に関する調査(令和5年度)」より、
日本語指導における「特別の教育課程」に
よる指導を受けている児童生徒数の割合が、
高等学校では4.2%と低く、
引き続き制度の周知・普及が必要である。
2.実施中の施策 【国の直接実施】
・公立学校において、平成29年度より施行さ
れた公立義務教育諸学校の学級編制及び教
職員定数の標準に関する法律(昭和33年法
律第116号)の改正法の規定に基づき、
令和8年度には日本語指導が必要な児童生
徒18人に対して1人の教員が基礎定数とし
て措置されるよう、
教員定数の改善を着実に実施している。
また、各地域における関連部署・団体等に
よる支援の状況等も踏まえつつ、
指導体制の構築や、きめ細かな指導を行う
ための多言語翻訳システムや遠隔教育と
いったICTを活用した支援等、
各地方公共団体が行う外国人児童生徒等へ
の支援体制の整備に対する支援をしている。
その際、母語の重要性に配慮するとともに、
各地方公共団体におけるNPOや企業・大
学等を含む幅広い主体との連携も促進して
いる。 〔文部科学省〕《施策番号168》
・また、「日本語指導が必要な児童生徒の受
入状況等に関する調査」を隔年で実施し、
受入状況に係る実態や課題の整理、先進的
な取組事例の収集・普及を図るとともに、
日本語指導等の教材や多言語化された学校
文書・動画資料等の普及を図るため、
文部科学省が運営する情報検索サイト「か
すたねっと」の機能強化に取り組んでいる。
〔文部科学省〕《施策番号169》
・加えて、集住地域・散在地域それぞれにお
ける指導の在り方についての実践的な研究
の成果を踏まえた、
日本人児童生徒と外国人児童生徒が互いを
尊重しながら共に学ぶ授業の実施、
「散在地域における児童生徒の実態把握の
ネットワーク構築に向けた調査研究」
の成果を踏まえた、
散在地域での指導体制構築などのモデル的
な取組を全国に普及する。
・学校における受入れや日本語指導の基本的
な事項を示した手引について、引き続き周
知・活用を図るとともに、
同手引の内容を踏まえて作成した教師・支
援者向け研修動画や
「外国人児童生徒等教育アドバイザー」
を活用し、
学校における体系的な日本語指導に関する
研修の充実を図っている。
〔文部科学省〕《施策番号170》
・令和5年度から導入された、高等学校にお
ける日本語指導の「特別の教育課程」を編
成・実施している事例について、引き続き
収集し、周知・普及を図る。
〔文部科学省〕《施策番号171》
【地方公共団体】
・日本語指導補助者等への支援の拡充等、地
方公共団体への財政支援等を行っている。
〔文部科学省〕《施策番号172》
3.速やかに実施する施策
【国の直接実施】
・外国人の子供が日本の学校教育を受ける前
に、
日本語や学習習慣の習得を目的とする地域
における「プレスクール(仮称)」(初期
支援)の方策を検討・提示する。
〔文部科学省〕《施策番号173》
・初めて指導に携わる教師等向けの国が作成
する研修動画等の一元化・提供、情報検索
サイトにおける掲載教材等の充実を図る。
〔文部科学省〕《施策番号174》
・日本語指導が必要な児童生徒に対し、円滑
な指導が行われるよう、
ICTや生成AIの活用も含めた効果的な
指導内容・方法等について国として日本語
指導のガイドラインを体系的に示す。
〔文部科学省〕《施策番号175》
・「外国人児童生徒等教育アドバイザー」に
よる、新たに取組を開始する地方公共団体
への伴走支援等を実施する。
〔文部科学省〕《施策番号176》
・外国人の子供が適切に教育を受けられるよ
う、令和9年度から、初期支援(「プレス
クール(仮称)」)の抜本的な強化を図る。
〔文部科学省〕《施策番号177》
【地方公共団体】
・令和8年度から、日本語指導補助者等への
支援の拡充等、地方公共団体への財政支援
等を拡充する。
〔文部科学省〕《施策番号178》
4.今後の課題
・地域の実情や各地域の教育の取組状況等を
把握した上で、全国的に教育水準の維持・
向上を図る。
例えば、プレスクールや学校におけるプレ
クラス(初期指導)の地域の実情に応じた
全国展開や、
登録日本語教員の配置、多文化多言語の子
供に応じた学習・指導計画を立てる生成A
Iの活用促進、
心理的安全性を確保しつつ子供の強みを引
き出す教育を実施する。
〔文部科学省〕《施策番号179》
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外国人に対する日本語教育についての
文部科学省総合案内サイトと言えば、
こちらです。
CLARINETへようこそ
https://www.mext.go.jp/a_menu/
その中でも、特に下記ページには文部科学省
の施策が網羅的に紹介されています。
帰国・外国人児童生徒教育情報
https://www.mext.go.jp/a_menu/
また、かねてから小中学校においては、
「特別の教育課程」が実施されて
きましたが、
最近の動向として、高校にもその適用範囲が
広がったことをあげることができます。
児童生徒日本語教育は
「言語と教育」
「多文化共生」
「教育制度」
の複合領域で出題される傾向があります。
特に「特別の教育課程」は近年要注意です。
また、本文中にある
> 8年度には日本語指導が必要な児童生徒
> 18人に対して1人の教員が基礎定数として
> 措置されるよう、
>
> 教員定数の改善を着実に実施している。
というのも注目すべきでしょう。
全国的に見れば、多くの学校は外国人児童
生徒が5人未満の散在校ですので、
適用される学校は限定的かと思いますが、
外国人児童生徒が増加している状況を見れば、
今後適用される学校は増えていくと思われます。
さらに、
▼外国人児童生徒受入れの手引き
https://www.mext.go.jp/a_menu/
▼外国人児童生徒教育研修マニュアル
https://www.mext.go.jp/a_menu/
▼高等学校における 外国人生徒等の受入の手引
https://www2.u-gakugei.ac.jp/~
▼高等学校の日本語指導・学習支援のための
ガイドライン
https://www2.u-gakugei.ac.jp/~
などは、これから児童生徒に対する日本語教育
をしていこうという方にとっては、
とても心強い資料なのではないかと思います。
もちろん、こうした資料も試験に出る可能性は
十分ありますので、一読をお勧めします。
