「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を読む(その12)

シリーズでお届けしている、

「外国人の受入れ・秩序ある共生のための
 総合的対応策」
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/pdf/kettei_honbun.pdf

今回も続きをお届けします。

今回は

II 国民の安全・安心のための取組
 第1 既存のルールの遵守、各種制度の
   適正化に向けた取組

4 ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援

(2)「青壮年期」初期を中心とした外国人に
   対する支援等

です。

今回の試験のポイントは、文部科学省の青壮年
期の外国人生徒に関わる下記政策

1 特別の教育課程
2 夜間中学

です。

今回から進め方を少し変え、少しずつ
読みながら、

その都度解説していきます。

その方が分かりやすいですね(^_^)

しっかり読み込んでいきましょう。

以下。

====================

(2)「青壮年期」初期を中心とした外国人
   に対する支援等

1.現状と問題点

・外国人が我が国で就労し、定着するために
 は、

 日本語能力のみならず、我が国の企業文化
 ・価値観・雇用慣行等への理解を深めるこ
 とが重要である。
======================

この問題意識は、注目に値します。

なぜなら、今後、政府は外国人に対する日本語
教育だけでなく、

日本文化や商習慣などに関わる教育も積極的に
進めていくことを暗示しているからです。

特に、「我が国の企業文化・価値観・雇用慣行
等への理解」と言っていますので、

若い外国人労働者の受け入れをさらに積極的に
進めて行こうと考えているんですね。

======================
2.実施中の施策

・外国人生徒等の進学状況、中退率、進路状況等
 に関する実態を踏まえ、

 中学校・高等学校において将来を見通した進路
 選択の機会が提供されるよう、教育委員会・学
 校と関係機関が連携し、

 日本語指導やキャリア教育の充実、生活相談の
 実施等の包括的な支援を進めることができるよ
 う、

 外国人生徒を含めた高校中退者等に向けた学習
 支援等を行っている。

 さらに、令和5年度から導入された高等学校に
 おける日本語指導の

 「特別の教育課程」

 を編成・実施している事例について、周知・普
 及を図っている。

 また、日本の高等学校卒業後に就労を希望する
 外国人の日本社会への定着が円滑に行われるよ
 う、

 引き続き在留資格の取扱いについて周知してい
 る。 〔文部科学省〕《施策番号281》
======================

外国人生徒の退学率や進路状況については、
2022年に出された下記調査があります。

「外国につながる生徒の学習と進路状況に関する
 調査報告書−都立高校アンケート調査の分析
 結果』
 https://www.schoolexcellence.p.u-tokyo.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/11/814b57be63b6900240169bbea35787f1.pdf

この報告書では、

日本語指導が必要な生徒の中退率は5.9%、外国
 籍生徒の中退率は6.4%、外国につながる日本国
 籍の生徒の中退率は3.4%となっている。在籍生
 徒全体に占める中退者数は2.0%であることから、
 外国につながる生徒のほうが中退をしやすい傾
 向がある。

在籍生徒全体の中退背景として最も多く挙げら
 れたのは、全日制、定時制ともに「学校不適応」
 であった。

外国につながる生徒の中途退学背景第1位として
 挙げられているのは、在籍生徒全体の中退理由
 とは異なり、「学業不振」であった。

と報告されています。

学業不振の根底には、そもそも日本語、特に認知
的学習言語能力(CALP)が分からないというのが
あると推測されます。

また、「特別の教育課程」は授業の一部を日本語
学習に充ててもよしとする制度で、

当初小中学校に通う外国人児童生徒が対象でした
が、現在では高等学校まで拡大されています。

というのも、高校に通う外国人生徒の中退率が
高いからなんですね。

これらのことから、高校に通う外国人生徒の日本
語教育を強化し、キャリア形成を支援していく
ことによって、

若い労働者の確保につなげていこうというわけ
です。

これは、非常にいい政策だと私は思います。

この「特別の教育課程」は、試験頻出項目ですの
で、しっかり押さえておきましょう。

======================
・夜間中学は、義務教育を修了していない学齢経
 過者等の義務教育を受ける機会を実質的に保障
 する中学校であり、

 令和7年(2025 年)10月現在、全国 26 都府県・
 15指定都市に 62 校が設置されている。

 夜間中学は、生徒の約6割は外国籍の者が占め
 ており(出典:令和6年度夜間中学等に関する
 実態調査)、

 本国や我が国において義務教育を十分に受けら
 れなかった者にとって、社会的・経済的自立に
 必要な知識・技能等を修得し得る教育機関であ
 る。

 このため、義務教育の段階における普通教育に
 相当する教育の機会の確保等に関する法律
 (平成28年法律第105号)(教育機会確保法)や

 第4期教育振興基本計画(令和5年6月16日閣
 議決定)等に基づき、

 全ての都道府県や指定都市に少なくとも一つの
 夜間中学が設置されるよう、

 新設準備に向けたニーズ調査等や設置後の円滑
 な運営に向けた補助などの支援等を通じてその
 促進を図っている。
       〔文部科学省〕《施策番号282》
======================

夜間中学は、近年注目されている制度で、試験で
もよく目にします。

というのも、夜間中学を利用する学習者の約6割
が外国人だからです。

多くは昼間仕事をしている外国人であることから、
外国人就労者の貴重な学びの場となっているん
ですね。

夜間中学については、文部科学省の下記サイトが
参考になります。

夜間中学の設置促進・充実について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/index.htm

現在、全国で62校が設置されています。

夜間中学の設置・検討状況
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/index_00003.htm

======================
・外国人の子供の適切な将来設計の実現を図るた
 め、高等学校・ハローワーク・関係機関が連携
 して、

 子供のキャリア形成支援を行う取組を試行的に
 実施している。

 その際、親の参画を含めた子供のキャリア形成
 支援について理解を進められるよう具体的な方
 法を検討する。
        〔厚生労働省〕《施策番号283》

・補導の対象となった外国人少年について、非行
 を防止するため、

 日本人と同様、必要に応じて、保護者等の同意
 の下、継続補導を実施するとともに、

 大学生ボランティア等と連携し、学習支援活動
 や居場所づくり活動等に取り組み、外国人少年
 の健全育成を図っている。
         〔警察庁〕《施策番号284》

3.速やかに実施する施策

・外国人生徒等のキャリア教育・支援について実
 態調査、支援方策の検討を行い、手引きとし
 て示す。 〔文部科学省〕《施策番号285》

======================

外国人生徒が学校になじめず、中退すれば
当然、就職や進学など、その後のキャリア形成
に支障が出ます。

そして、それが日本人同様、非行につながること
もあります。

だからこそ、しっかりした支援が必要なんですね。


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