日本語教育能力検定試験の過去問は何年分やればいい?

これから検定試験を受験しようという方から
よくいただくご質問に、

「検定試験の過去問を何年分やったら
いいですか。」

というのがあります。

私なりの結論を言うと、

「最低3年分はやったほうがいいですが、
大事なのは、やり方です。」

です。

つまり、何年やったかが大事なのではなく、
どこまで突き詰めてやったかが大事なのです。

どういうことかというと、例えば

▼過去問3年分をそれぞれ3回ずつ、計9
回やって、答えまで覚えてしまったAさん

▼過去問1年分を四苦八苦しながら徹底的に
研究して問いの各選択肢の正誤の理由まで
説明できるようになったBさん

では、どちらが合格する確率が高いか、
という話。

答えはBさんです。

確かにAさんも努力しています。

3年分を答えを覚えるまで繰り返し勉強
するというのは、なかなかできることでは
ありません。

しかしながら、なぜその答えになるのか、
その理由を他の人に説明できるレベルまで
知識を腹落ちさせなければ、

すなわち、正解までの思考回路が明確に
できていなければ、

単に「その問題に答える力」が身についた
にすぎず、

問題の切り口がちょっと変わると途端に
解けなくなってしまうのです。

実際、

「検定試験の過去問3年分を、答えを覚え
るまで勉強したのに、今年の問題は去年
より難しくて合格できなかった。」

という人のいかに多いことか。

検定試験は、30年以上の歴史を持つ試験。

毎年、前年より難しければ、今頃司法試験
より難しくなっているはずです(笑)

ポイントは、そこじゃないんですね。

一方、Bさんの勉強は、たった1年分とはいえ、
納得いくまで調べ尽くさなければならないので、
実はAさんより大変です。

場合によっては、熟達者の助けを借りなけれ
ばできません。

ですが、そうした学習をすることによって、

「なぜこの選択肢が正解で、他の選択肢が
ダメなのか。」

について明確に説明することができる、

言い換えれば、正解までの思考回路、ロジック
がしっかり身につくわけです。

正解までのロジックが身についたとは、
問題の本質が理解できたということ。

扇の要を掴んだようなものです。

こうなれば、多少問題の切り口が変わろうが、
問題の本質を見極めることができるので、
難なく正解を導くことができるのです。

また、そもそも人間の脳というのは、不明瞭な
情報をずっと覚えておくことが不得手です。

年を取るとなおさらです。

一方、解像度の高い明確な知識はいつまで
も記憶に残ります。

しかも、明確な知識なので思い出しやすい。

思い出して言葉に出せば、さらに記憶が強化
されるという好循環が生まれます。

だから、明確に理解できるレベルまで勉強
するということは、

実は、遠回りなようで一番の近道なのです。

また、Aさんのような勉強は、正解の選択肢
からは学びますが、

誤答の選択肢(これを錯乱肢といいます)に
は目もくれません。

ですが、Bさんの勉強は錯乱肢からも学び
があります。

つまり、両者では学びの情報量が4倍違う
のです。

もちろん、検定試験合格には、Bさんのよう
な勉強を、過去3年分することが理想です。

ですので、ぜひ3年分、できれば5年分
過去問をしっかりやってみてください。

まとめますと、

日本語教育能力検定試験合格には、過去問を
最低3年分やることが大切だが、

重要なのは、解いた回数ではなく、どれだけ
徹底的に深掘りしたか。

こういう学びを楽しむことができれば、
学習者にも学びの楽しさを伝えることが
できるでしょう。


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