「日本語教育の参照枠」と「言語と社会」はどう繋がるか。
シリーズでお届けしている
「日本語教育の参照枠」は日本語教員試験の
5区分とどう繋がるか。
今回は、
「日本語教育の参照枠」と「言語と社会」
はどう繋がるか。
です。
こちらもそもそもですが、
前回の「言語と心理」同様、どのような
テーマが扱われているか、確認しておき
ましょう。
「必須の教育内容」に掲げられている
「言語と社会」の項目は以下の6つです。
<8>社会言語学
<9>言語政策と「ことば」
<10>コミュニケーションストラテジー
<11>待遇・敬意表現
<12>言語・非言語行動
<13>多文化・多言語主義
これらと「参照枠」の内容を照らし
合わせてみると、
<8>社会言語学
の主要テーマの1つに
「言語のバライエティ」
があります。
言語のバライエティとは、
世代、社会的立場、性差などによる
言葉の使い分けですね。
この部分に関して、コミュニケー
ション言語能力の
「社会言語能力」
と関係があります。
CEFRでは、社会言語能力を、
「言語使用の社会的な次元に対処する
ために必要な知識と技能である。」
としています。
「社会的次元」とは、先に挙げた
世代、社会的立場、性差などを
意味すると思われます。
また、
<9>言語政策と「ことば」
は、まさに言語政策としての
「参照枠」。
ど真ん中です。
さらに、
<10>コミュニケーションストラテジー
は、「方略Can do」との繋がりが
強いです。
実際、「参照枠」で方略Can doの
説明を見てみると、
==================
方略とは、分からない言葉を推測したり、
質問したり、あるいは聞き取りにくい言葉
について聞き返したりするなどの行動を
指す。(p.13)
==================
とあり、まさにコミュニケーションスト
ラテジーそのものとなっています。
ということは、日本語教員試験でも
「方略Can do」と絡めて、
リペア(修復)等が出題される可能性が
高いということですね。
<11>待遇・敬意表現
<12>言語・非言語行動
<11>待遇・敬意表現については、
「参照枠」の
(2)「日本語教育の参照枠」を作成する
に当たっての方針
のところで、以下のような記述がありま
す。
===================
○ 同じく日本語の特徴である待遇表現
(敬語等)については、CEFRの社
会言語能力についての言及と結び付け
て扱うこととする。(p.7)
===================
ということは、
社会言語能力と絡めて、例えば
「敬語の指針」
https://00m.in/zzpbk
が出題される可能性があるということで
す。
ですので、特に謙譲語Iと謙譲語IIの違い
は、しっかり押さえておきましょう。
<12>言語・非言語行動
もやはり「方略Can do」と繋がるかと
思います。
挿入連鎖ぐらいはパッとわかるように
しておきたいですね。
<13>多文化・多言語主義
は、「参照枠」、さらに言うとCEFR
が掲げている、
「複文化・複言語主義」
との繋がりが極めて強い。
ですので、多文化・多言語主義と
複文化・複言語主義の違いは、
しっかり押さえておく必要があります。
こうしてみてみると、「参照枠」は
本当に日本語教員試験の隅々にまで
関わっていると言えます。
いかに「参照枠」が日本語教員試験
対策にとって
【第一級の資料】
であるかがご理解いただけたのでは
ないかと思います。
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