応用試験を突破するには?(その8)

前々回より、

今後、日本語教員試験において、

【ユニバーサルデザイン】

が重視される根拠として、

(1)経過措置対象の講習IIの内容

(2)昨今の日本のホワイト社会化

(3)日本の障害者政策の変化

を紹介し、(2)について説明させて
いただきました。

もちろん、ユニバーサルデザインが
重視されるというのは、私の勝手な
推測ですが、

時代の流れから考えると、絶対に
押さえておくべきキーワードです。

しつこいようですが、

【ユニバーサルデザイン】

とは、

ロナルド・メイス(Ronald Mace)
が提唱したもので、

年齢、性別、身体的状況、国籍、
言語、知識、経験等の違いに関係
なく、

すべての人が使いこなすことの
できる製品、建物、環境、サー
ビス等のデザインを目指す考え方
やその実践を言います。

で、今回は(3)について。

私が勤めている別府大学でも、

ある時期から「合理的配慮」という
言葉が学期はじめ前後にしきりと
聞かれるようになりました。

合理的配慮とは、

「障害者が他の者との平等を基礎
 として全ての人権及び基本的自由
 を享有し、

 又は行使することを確保するため
 の必要かつ適当な変更及び調整で
 あって、

 特定の場合において必要とされる
 ものであり、

 かつ、均衡を失した又は過度の負担
 を課さないもの」
 (障害者の権利に関する条約第2条)

を言います。

調べたところによると、こうした
合理的配慮が出てきたのは、

2016年に「障害を理由とする差別の
解消の推進に関する法律」
(以下、障害者差別解消法)

が制定されたからです。

この法律の制定は、日本の障害者
施策の大きな転換となり、

行政機関や事業所における合理的配慮や
ユニバーサルデザインの普及へと繋がっ
ていきました。

あれから10年近く経ち、自治体や
企業、大学などの施設では、

障害者の方が移動しやすいよう
階段の横にスロープが設置されたり、

障害者用のトイレが設置されたりと、

ユニバーサルデザインが進められて
いきました。

世の中は、どんどんユニバーサル
デザインが進められているわけですね。

翻って日本語教育はというと、

もともと多文化共生を目指しています
ので、価値観としては親和性がかなり
高いと思います。

ただ、障害者に対する日本語教育は
今までそれほど活発に議論されて
いないからか、

障害者施策発のユニバーサルデザイン
という考え方は、一部の専門家を
除いてまだ浸透していないようです。

ですが、日本語学習者は日本社会に
おいては、明らかに言語的ハンディ
のある存在で、

彼らに対する言語サポートは、官民
にわたって既に行われていますので、

いずれこれらの活動がユニバーサル
デザインという考え方のもとで
再定義されるだろうと思います。

そうなるのは、もう少し先になる
かもしれませんが、

その時には、日本語教員試験にも
出題されるだろうと思います。


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