言語権と政策形成−「言語と社会」(言語政策と「ことば」)より。
日本語教員試験の出題範囲の1つである
「言語と社会」
の中に、
言語政策と「ことば」
という項目があります。
この項目に低通する重要なキーワードが
「言語権」です。
比較的新しい概念で、日本語教育では
あまり話題に上がらないかもしれませんが、
近年の政府の様々な言語政策を見ていると、
そのほとんどが言語権保障に関係している
ことがわかります。
今後は、日本語教員試験においても
▼多様性(ダイバーシティ)
▼包摂性(インクルージョン)
という観点から、言語権が出題されるかも
しれません。
そこで、今回は篠研の通信講座講義資料
「No.093 言語政策と「ことば」」
の中から「言語権と政策形成」をご紹介
します。
言語権についての理解を深めてくださいね。
以下。
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言語権と政策形成
言語権とは、自分の選んだ言語で教育・医療・
行政サービスを受けたり、表現したりする権利
のことです。
1966年に国際連合で採択され「市民的及び政治
的権利に関する国際規約(B規約)」では、
第27条において少数者の言語権を否定してはな
らないと明記されていますにも明記されていま
す。
(1)第27条 種族的、宗教的又は言語的少数
民族が存在する国において、当該少数
民族に属する者は、その集団の他の構
成員とともに自己の文化を享有し、自
己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己
の言語を使用する権利を否定されない。
日本は本規約を1979年に批准しており、徐々に
言語権に対する認識が広がっています。
日本における言語的少数派の言語権保障の取組の
1つにアイヌ民族の文化保護があげられます。
1997年に「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統
等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」
(アイヌ文化振興法)、
2019年には「アイヌの人々の誇りが尊重される社
会を実現するための施策の推進に関する法律」
(アイヌ施策推進法)を定め、
アイヌ語を含んだアイヌ文化の普及や啓発、ウポ
ポイ(民族共生象徴空間)を通じたアイヌ文化の
振興に努めています。
2019年には文化庁の主導により「日本語教育の推
進に関する法律」(日本語教育推進法)が施行さ
れ、言語に関する政策形成の土台が築かれました。
また、総務省は「地域における多文化共生推進プ
ラン」(2006年制定、2020年改訂)を策定し、
ICTを活用した行政・生活情報の多言語化や日本語
教育の推進など、自治体の言語施策の指針を示し
ました。
これらの制度により、行政文書の多言語化、学校
における母語支援、医療通訳配置などが進んでい
ます。
言語権は、多様性(ダイバーシティ)と包摂性
(インクルージョン)を認める社会において、欠
かすことのできない基本的な人権と言えます。
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私自身、講義資料改訂作業をして改めて
分かったのですが、
言語政策は本当に奥が深い。
篠研の「圧巻!
日本語教員試験・日本語教育能力検定試験
出題率70〜84%のテーマだけを扱った
【言語と心理、言語と社会、社会・文化・地域】
対策セミナー」
(7月26日・27日開催)
https://www.kanjifumi.jp/
でも、様々な施策について触れます。
近年の日本の言語政策は重要なものだけでも
相当数ありますので、
今のうちからできるだけ学んで、整理して
おいたほうがいいです。
「とはいえ、1人で整理するにもどこから手を
つけたらいいのかわからない。」
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