文化間を移動する児童生徒の種類。
日本国内の外国にルーツを持つ児童生徒
は増加の一途を続けています。
文部科学省が2年に1回実施している
調査によると、
公立学校に在籍している外国籍の児童
生徒は、令和5年時点で129,449人。
これに、外国にルーツを持つ日本国籍の
児童生徒や、
私立学校に通う児童生徒を加えると、
相当な数になると推察されます。
文部科学省も、こうした児童生徒に対
する支援の充実を進めています。
ただ、外国にルーツを持つ児童生徒、
文化間を移動する児童生徒と言っても、
その背景やタイプは様々です。
従って、私たち日本語教師を目指す
者は、
そうした文化間を移動する児童生徒の
おおざっぱな種類というものを把握し
ておく必要があるでしょう。
以下、
通信講座講義資料
「No.108 児童生徒の文化間移動」
より。
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文化間を移動する子どもの類型とその背景
文化間を移動する子ども、さらに言うと、
18歳までの間に2つ以上の異なる文化的世
界で生活したり、
意味のある交流を持ちながら育った子ども
たちのことをクロスカルチュラルキッズ
(Cross Cultural Kids:CCK)と言います。
関口(2007)は、ヴァンレケンの「CCKモデル」
を援用し、クロスカルチュラルキッズの種
類を以下の4種に分類しました。
(1)1.TCK(海外帰国生)
TCKとは、サードカルチャーキッ
ズ(Third Culture Kids:両親の属す
る文化圏の外で過ごした子ども)の略。
日本では、日本に帰国したTCKが進路
選択で不利を被っていることが社会
問題化された。
2.Educational CCK(教育上の文化
間移動を経験する子ども)
裕福な家庭の親が、自国にない教
育機会を求めて、子どもを未成年段
階から海外の教育機関に進学させる
ケース。
アメリカではパラシュート・キッズ
(Parachute Kids)と呼ばれた。
3.Children of Bi/Multicultural
(国際結婚・異文化間結婚の子ども)
特に、アメリカ国籍の親とアジ
ア諸国に国籍を持つ親の間に生まれ
た人のことをアメラジアンという。
4.Children of Immigrant/
Transmigrant(移民/還流型移民
の子ども)
日本では、1990年代に急増した
ニューカマーの子どもたちがこの
類型に入る。
こうした外国人の子どもの増加に
伴い、教育現場や地域社会で「問
題」が共有され始めた。
(pp.213-220。一部筆者補足)
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いかがでしょうか。
どんなに生成AIが発展しても、私たちが
相手に学習者は、
【悲喜こもごもの人生を歩む
生身の人間である。】
ということを認識する必要があるでしょう。
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