日本語教員試験結果分析(その1)−基礎試験は本当に易しい?(合格率37%)
先日、文部科学省より令和7年度日本語教員
試験の結果が発表されました。
令和7年度日本語教員試験実施結果を
お知らせします
https://www.mext.go.jp/
今回は、その結果の分析と今後の
対策について、数回にわたって
お話しますね。
結論から申し上げると、
「基礎は“易しい”ではなく合格率37%。
2/3が落ちる難度。油断が最大リスク。」
です。
まず、試験実施直後にSNS等で流れた
受験者の感想は概ね
「今年の基礎試験は易しかったが、
応用試験は難しかった。」
というものです。
ただ、これをそのまま信じてしまって
はいけません。
なぜなら、これはあくまでも個人の
感想であり、実態を正確に反映して
いるとは限らないからです。
だからこそ、正確なエビデンスを見て、
現状を正しく知ることが大事。
これができるかどうかで、将来の合否
が大きく変わります。
人の意見に引っ張られやすい方、
感化されやすい方、信じやすい方は、
重々気をつけてくださいね。
そこで、結果。
まず、試験ルートから。
今年の受験者数が3,538人。
昨年が3,681人でしたから、微減。
ただ、昨年の試験ルートの合格率
が8.7%と絶望的であったにも
関わらず、
今年の受験者が昨年よりさほど減って
いないことから考えると、
様々な理由で試験ルートを選ばざるを
得ない方が多いということが分かります。
そして、このうち基礎試験に合格した
方が1,309人。
合格率、約37%。
昨年が8.7%でしたので、この段階での
合格率は、昨年の4倍以上。
確かに、昨年に比べれば基礎試験は
易しかったと言えます。
ただ、だからといって基礎試験が易しい
わけではありません。
合格率約37%ということは、この時点で
受験者の2/3がふるい落とされたという
ことです。
つまり、
「今年の基礎試験は易しかった。」
という感想は、決して真実ではない
ということです。
にもかかわらず、この「易しかった」
という部分だけを切り取って、
基礎試験対策を怠れば、
結果は推して知るべし。
では、なぜ2/3が落ちるような試験
だったにもかかわらず、
「今年の基礎試験は易しかった。」
という感想がSNSで広がったのか。
理由はいくつか考えられます。
続きは次回に。
