「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を読む(その10)

シリーズでお届けしている、

「外国人の受入れ・秩序ある共生のための
 総合的対応策」
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/pdf/kettei_honbun.pdf

今回も続きをお届けします。

今回は

II 国民の安全・安心のための取組
 第1 既存のルールの遵守、各種制度の
   適正化に向けた取組

4 ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援

(1)「乳幼児期」、「学齢期」を中心とした
   外国人に対する支援等

を取り上げます。

今回は長いので、2回に分けてお届けします。

今回の試験のポイントは、

1 外国人児童生徒数(69,123人)
2 不就学の可能性(8,432人)
3 最多言語(ポルトガル語)

です。

これまでもずっと解説してきましたが、
解説してきた内容は、ひとえに、

▼日本語教員試験
▼日本語教育能力検定試験

に出題されやすい、あるいは過去に
出題された内容です。

つまり、紹介している政府文書の
要約文が問題文となり、

そのうち、私が解説している部分に
下線が引かれて問いとなる、

そういうイメージで読んでいただけると
試験問題をイメージしやすいと思います。

実際、上記2試験は政府の外国人施策
の広報的機能も担っていますから、

本シリーズのように政府文書を丁寧に
読み込み、

政府の具体的な取り組みを紹介した
ホームページを見ておくというのは、

試験対策にそのまま直結しているん
ですね。

特に、外国人児童生徒に対する日本語
教育は、

日本語教育能力検定試験では、毎年の
ように出題される超頻出テーマです。

政府がかなり力を入れていることも
あって、

今後も出題される可能性は極めて
高いです。

「私が出題者だったら、篠崎が解説
 した部分でどんな問いを作るかな。」

そう考えながら読んでいただけると
実力が一気につくでしょう。

しっかり読み込んでいきましょう。

以下。

====================

4 ライフステージ・ライフサイクルに
 応じた支援

(1)「乳幼児期」、「学齢期」を中心と
  した外国人に対する支援等

1.現状と問題点

・外国人児童生徒等に対する教育は、外国
 人児童生徒等の我が国における生活の基
 礎となるものである。

 このため、一人一人の日本語能力を的確
 に把握しつつ、きめ細かな指導・支援を
 行うことにより、

 外国人児童生徒等が必要な学力等を身に
 付け、

 自信や誇りを持って学校生活において自
 己実現を図ることができるようにする必
 要がある。

・公立学校においては、日本語能力を十分
 に有していないにもかかわらず、

 特別の配慮に基づく指導を受けられてい
 ない外国人児童生徒が約1割存在すると
 いう実態があり、

 外国人児童生徒の人数に応じた教員等の
 数を確保するとともに、

 教員等の資質・能力の向上を図ることが
 必要不可欠となっている。

・文部科学省が令和6年度に実施した

 「外国人の子供の就学状況等調査」

 において、約8,400人の外国人の子供が
 不就学の可能性がある、との実態が判明
 した(調査時点は令和6年5月1日)
 ことから、

 外国人児童生徒の就学機会の適切な確保
 に向けて、就学状況の把握・就学促進の
 ための取組を更に充実させる必要がある。

 また、就学促進を図るためにも、学校に
 おける受入れ体制の充実やきめ細かな日
 本語指導の充実に取り組む必要がある。

・外国人の幼児については、集団生活を経
 験しないまま義務教育諸学校に入学する
 と、

 集団行動や日本語などが分からず、

 円滑に学校生活が送れないなどの弊害が
 生じる可能性があることから、

 幼稚園、保育園等への入園を促進し義務
 教育諸学校への就学に円滑につなげるこ
 とが重要である。

・文部科学省が令和5年度に実施した

 「日本語指導が必要な児童生徒の受入状
  況等に関する調査」

 により、

 日本語指導が必要な中学生等の高等学校
 等進学率を調査したところ、

 90.3%(全中学生等の高等学校進学率は
 99.0%)であることが明らかとなった。

 また、同調査により、公立高等学校に在
 籍する日本語指導が必要な高校生等につ
 いては中途退学率が依然として8.5%と高
 く(全高校生等の中退率は1.1%)、

 大学等への進学率も46.6%にとどまって
 いる(全高校生等の大学等進学率は
 75.0%)ことが分かった。

 このような状況を踏まえると、外国人高
 校生等が高等学校卒業後に進学・就職し、
 社会人として自立するためには、

 高等学校への入学促進や、高等学校での
 日本語指導・教科指導を充実することに
 加えて、

 進路指導やキャリア教育、相談支援の充
 実を図ることも必要である。

・就学の促進、高等学校の中途退学の防止
 等の観点から、

 保護者が就学・進学の重要性を十分に理
 解していることが肝要であるため、

 来日前における就学情報等の提供、プレ
 スクール等の機会を捉えて、

 子供の将来の可能性について、保護者に
 情報が提供される仕組みが必要である。

2.実施中の施策

・外国人の妊産婦が、日本において母子保
 健情報を円滑に入手し活用することで安
 心して出産・子育てが出来るように、

 令和元年度に母子保健の入口である妊娠
 の届出時に交付される母子健康手帳を多
 言語化したところ、

 引き続き、それを活用した効果的な支援
 方法等について、地方公共団体へ周知す
 る。

 併せて、妊娠・出産・産後まで必要とな
 る様々な支援についても外国人の妊産婦
 が安心して出産・子育てができるよう、

 相談や情報の入手等に関し必要な支援を
 行う。
    〔こども家庭庁〕《施策番号270》

・外国人子育て家庭や妊産婦が、保育施設、
 保健・医療・福祉等の関係機関を円滑に
 利用できるよう、

 市区町村が実施する「利用者支援事業」
 における多言語対応を促進し、

 外国人子育て家庭からの相談受理、子育
 て支援に関する情報提供等の取組につい
 て、引き続き推進する。

 また、保育施設における外国人乳幼児の
 円滑な受入れ支援に引き続き取り組む。
    〔こども家庭庁〕《施策番号271》

・平成19年度より、国籍を問わず、子育て
 中の親の孤独感や不安感の増大等に対応
 するため、

 地域において子育て中の親子の親子同士
 の交流の場の提供や子育てに関する相談
 ・援助等を行う地域子育て支援拠点事業
 を実施する地方公共団体を支援している
 ところ、

 引き続き当該地方公共団体を支援する。
    〔こども家庭庁〕《施策番号272》

・保育所保育指針(平成29年厚生労働省告
 示第117号)や

 「保育政策の新たな方向性」(令和6年
 12月20日付事務連絡)等を踏まえ

 保育所等における外国籍の子供への配慮
 や保育所等から小学校への切れ目のない
 支援について、

 保育所等において、外国籍家庭等に対す
 る適切な支援75 が行われるよう、取組
 の実態も踏まえつつ、

 事例集の周知等に引き続き取り組むとと
 もに、保育所等への支援を進める。

 併せて、外国籍等の子供も含め、幼児期
 までの子供の育ちを切れ目なく支えてい
 く観点から

 「はじめの100か月の育ちビジョン」

 の多言語化を行い、

 こども家庭庁ホームページ等で周知を
 行う。

 また、放課後児童クラブにおいて、

 「放課後児童対策パッケージ2026」
 (令和7年12月26日)

 を踏まえ、

 日本語能力が十分でない児童へ適切な
 支援がなされるよう引き続き取り組む。
======================

今回取り上げた内容は、繰り返しますが
試験頻出項目目白押しです。

まず、外国人の子供の就学状況等調査
ですが、こちらのサイトになります。

「外国人の子供の就学状況等調査
 (令和6年度)」の結果について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421568_00005.htm

調査の結果は以下の通りです。

・学齢相当の外国人の子供の人数(住民基本
 台帳上の人数) 163,358人
 (前回調査より12,663人増加。8.4%増加。)

・義務教育諸学校への在籍や不就学など、全て
 の項目において人数が増加 (不就学の可能
 性がある外国人の子供の数の合計8,432人
 前回調査より169人減少。)

全体的に外国人児童生徒が増えていること、
一方で不就学の可能性がある児童生徒が
減っていること(つまり、取り組みの成果)
は覚えておきましょう。

続いて、日本語指導が必要な児童生徒の受入
状況等に関する調査ですが、

こちらは、2年に1回の頻度で行われて
いるもので、

試験対策的には、児童生徒の問題では必ず
と言っていいほど取り上げられる資料です。

ここから出題されると言っても過言では
ありません。

「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等
に関する調査(令和5年度)」の結果について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569_00006.htm

結果の概要のうち、日本語指導が必要な児童
生徒の在籍状況は以下の通りです。

(1)日本語指導が必要な児童生徒数

 ・日本語指導が必要な児童生徒数は、69,123人
  で前回調査より10,816人増加 (18.6%増)

 ・日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数は
  57,718人で前回調査より10,099人 増加
  (21.2%増)

 ・日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数は
  11,405人で前回調査より717人 増加(6.7%増)

(2)日本語指導が必要な児童生徒の言語別在籍
   状況

 ・日本語指導が必要な外国籍の児童生徒を言語
  別にみると、ポルトガル語が20.8%で最も多く、
  次に中国語の20.6%となっている。

 ・日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒を言語
  別にみると、日本語が30.5%で最も多く、次に
  フィリピノ語の19.4%となっている。

このあたりは、必ず出題されますので、しっかり
押さえておきましょう。

なお、(2)のポルトガル語ですが、これは
ポルトガル人が多いわけではなく、

日系ブラジル人が多いことに起因します。

今回、結果の概要のほんの一部を紹介しましたが、
上記資料は非常に重要な情報を含んでいますので、
上記サイトは全文一読なさることをお勧めします。


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