検定試験出る問シリーズ(12)-謙譲語Iと謙譲語IIの違いは?

敬語は、検定試験にも毎年のように
出題される常連項目。

 

そして、敬語が出題されるとほぼ100%

「謙譲語Iと謙譲語IIの違い」

が問われるわけですが、

私たちにはあまり馴染みのないものである
だけに、

「違いがよくわからない。」

という方が多いようです。

 

そういうこともあって、私の検定対策
セミナーでは、敬語の問題をよく扱って
います。

 

で、この謙譲語Iと謙譲語IIの違いが
一発でわかる例文があります。

 

下の問題を考えてみてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【問題】

「言う」の謙譲語には「申す」と「申し上げる」が
あります。では、下の例文で正しいのはどちらで
しょうか。

・私はやくざに「人殺しはやめろ!」と
( 申し上げました 申しました )。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

正解は、「申しました」。

なぜか。

 

「申し上げました」にすると「やくざ」に対して
敬意を表した表現となってしまうからです。

 

ところが、「やくざ」は社会通念上、敬意を表す対象
としてふさわしくない。

 

だから、おかしいとなるわけです。

 

つまり、「申し上げました」は「言う」という行為の
向かう先の相手を立てて述べる謙譲語。

こういう謙譲語を「謙譲語I」といいます。

 

一方、

「申しました」は、聞き手(あるいは読者)に対して
敬意を表した表現。

 

この場合、聞き手(あるいは読者)が自分より目上の
人であれば、全く問題ありません。

 

つまり、「申します」は会話であれば聞き手、
文章であれば読者を立てて述べる謙譲語。

こういう謙譲語を「謙譲語II」といいます。

 

しかも、この謙譲語IIは、聞き手(読者)に対して
丁重に述べた言い方。

なので、別名「丁重語」とも。

 

イメージとしては、「超丁寧語」といった
ところでしょうか。

 

以上のことから、答えは「申しました」と
なるわけです。

 

ですので、もし今年の試験にも敬語が出題され、

「謙譲語Iと謙譲語IIの違い」

が問題に出たら、

この「やくざの例文」を思い出して、ほくそ笑んで
いただければ(笑)と思います。

 

また、敬語の問題は文化庁が出したこちらの文書が
ほぼネタ元となっていますので、ぜひご覧ください。

文化庁『敬語の指針』
https://bit.ly/2CkrLhq

 

さすがに「やくざ」の例文はありませんが(笑)


日本語教師をめざす方、現職日本語教師の方のための無料メルマガ
無料メルマガ「篠研の“日々成長する教師”」

授業の小ネタや授業実践のコツ、教師としての考え方、息の長い日本語教師になるための知恵などを週2日(火・木)でお届けします。

さらに、今ご登録なさると特典が無料でダウンロードできます。
特典 「精読指導の秘奥義」(全24ページ)

解除はもちろんのこと、メールアドレス変更など個人データの編集も簡単ですので、ご安心ください。プライバシーポリシーをご確認の上、ご登録を希望されるメールアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

  メールアドレス【必須】
  お名前(姓)【必須】
  お名前(名)【必須】
  よみがな【必須】
  都道府県【必須】 なお、海外在住の方は「海外」をお選びいただき、下記項目に例のようにご記入ください。
  海外にお住まいの方は「ベトナム(ホーチミン)」のようにお書きください。