マイナーな専門用語ほど、本文中にヒントや解説がある。

今回は、予定を変更して、

「マイナーな専門用語ほど、本文中にヒントや
解説がある。」

というお話をします。

マイナーな専門用語や意味を取り違えそうな専門
用語について問題文中にその解説やヒントがある
ということは、

これまでの過去問でも頻繁に出ていて、

例えば、謙譲語Iと謙譲語IIの区別も問題文中に
ちゃんと定義や具体例が示されてあったり、

どんな比喩がメトニミーで、どんな比喩がシネク
ドキかなども、問題文中にそれとなく書いてある
ことがしばしばありました。

おそらく、出題者が見たいのは受験者がどれだけ
マイナーな専門用語を知っているかではなく、

その背後にある言語現象を理解する力や、それらの
現象を分析する力を見たいからでしょう。

事実、現場に立てば、そちらの力の方がはるかに
重要。

 

例えば、今回初めて出題された

「認識的(エピステミック)モダリティ」
「拘束的(デオンティック)モダリティ」

も、その意図が強く出ている問題という
印象を受けました。

実際、これらの専門用語を今まで知らなかったという
方も多かったのではないでしょうか。

ですが、前後の文章を読めば答えはおのずとわかります。

ちなみに、この問題、すなわち試験I問題3D(16)の
答えは4ですね。

 

ヒントは、問題文中の

「事態の真偽に対する判断」(3行目)

さらに、

「〈確信〉を表す『にちがいない』と『はずだ』は
どちらも認識的(エピステミック)モダリティで
あるが」(4-5行目)

という指摘。

 

「事態の真偽に対する判断」とは、つまり

「ある事柄について本当か本当でないか/そうか
そうでないかに関わる判断。」

ということです。

これは、決定的なヒントですよね。

 

加えて、例えば「にちがいない」と「はずだ」は
どちらも「確信」

つまり「本当だ/そうだという判断」を表す
認識的(エピステミック)モダリティだと。

同じ仲間を示してくれているわけです。

 

この2つのヒントを頼りに選択肢を見る。

 

そうすると、選択肢4「まい」だけ

「ないだろう」という意味で、「そうではない」
という話し手の判断(=真偽判断)を表しています。

 

従って、答えは4となるわけですね。

 

たとえ認識的モダリティという用語を知ら
なくても、

周囲のヒントを手繰り寄せれば、答えを導く
ことができるのです。

(もちろん、知っていないと解けない問題も
検定試験の中にはありますが。)

 

今回の試験。

全体的には、ただ暗記しているだけでは
だめで、

問題の背後にある理屈、原理原則、筋道
を理解していれば難なくこたえられる問題、
が多かったように思います。

私としては、良問が多かったような印象です。

ただ、問題の背後にある理屈、原理原則、筋道
を理解するためには、やはり相応の勉強が必要。

篠研の通信講座の講義資料では、理屈、原理原則、
筋道をしっかり解説しているので、

本講座でじっくり勉強なさった方にとっては、
今年の試験はやりやすかったのではないかと
勝手に想像しています。

実際、通信講座の内容がかなり出題されていま
したから。

ともあれ、今日からまた勉強。

「試験が終わって燃え尽きた。」

とばかりに勉強に手がつかないようでは、
まだまだ「本物の日本語教師」ではありません。

倦まず、弛まず、焦らず。

生涯勉強、生涯修行。

解答速報を見ながら、試験結果を見直して
できなかった問題を再考してくださいね。

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