問題解決能力より、問題指摘能力。(その1)

先日行った

篠研の篠崎大司セミナー
「ミニ実習授業あり!
 指導の引き出しが増える!みるみる発音がよくなる!
 発音指導の基本」1日目

大変有意義でした。
(ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。)

というのも、

発音指導の基本、指導の優先順位は

まずはプロソディの指導、次いで語音の指導
です。

プロソディとは、

イントネーション、アクセント、プロミネンス、
リズム、ポーズといった

複数の分節音にまたがる音の特徴のこと。

語音とは、母音や子音、そして特殊拍のこと。

プロソディの方を優先すべき理由は、

プロソディが悪く、語音の発音が正しい
学習者の音声と、

逆にプロソディがよく、語音の発音が
悪い学習者の音声を、

一般の日本人に聞かせて、どちらの学習者
が発音がいいか調査し、

結果、後者の方が評価が高かったという
研究結果があるからです。

考えてみれば、その通りで、

プロソディは、複数の音にまたがった
特徴で、

特にイントネーションに至っては
発話全体関わるので、

聞き手の印象に大きくかかわるんですね。

語音はしょせん1音。

聞き手の印象はそんなに大きくない
のです。

なので、発音指導をする際は、

まずはプロソディに問題がないかを
検討する必要があるわけです。

ところが、不思議なことに多くの日本語
教師は学習者の発音を聞いた際、

なぜか語音の正確さに注意が行ってしまう。

本当に不思議です。

ただ、よくよく考えてみれば、

私も駆け出しの時は確かに語音の
特徴に注意が行っていました。

まずはそちらの方が認識しやすい。

「ツ」を「チュ」と言ってしまうとか、
「ダ」を「ラ」と言ってしまうとか。

要は分かりやすいわけです。

一方、プロソディの方はちょっと
分かりにくい。

「イントネーションがちょっと
 違うんだけど、なんとなく違う
 感じ。」

誤用をきちっと言語化しにくいん
ですね。

これが理由の1つ。

もう1つは、プロソディは多少
間違ってもミスコミュニケーション
には繋がりにくいですが、

語音で間違えるとミスコミュニ
ケーションに繋がる可能性が大きい。

例えば、「柿」というべきところを
「ガキ」と言ったら意味が通じなく
なるわけです。

なので、教師としては

「それは避けなければ。」

となって、語音の指導に傾いてしまう。

これが理由の2つ目。

私の場合、振り返ってみると、
1つ目の理由である己の指導力の低さを
2つ目の理由で言い分けして、

語音の指導を優先していたように
思います(苦笑)。

ですが、先の研究結果の通り、

一般の日本人は、学習者の発音を
評価する際、

プロソディを優先するんですね。

なので、私たち日本語教師はこのこと
を念頭に入れて発音指導をしなければ
ならないわけです。

長くなりそうなので、続きは次回に。


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