外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 (令和7年度改訂)を読む(その2)
前回に引き続き、
去る6月6日、外国人材の受入れ・共生に
関する関係閣僚会議にて出された
「外国人材の受入れ・共生のための総合的
対応策 (令和7年度改訂)」
(以下、「対応策」)
https://00m.in/KUDpE
日本語教育に直接かかわる施策について
見ていきます。
第2回の今日は、「対応策」に入る前に
「ロードマップ」を見ていきましょう。
こちらの資料です。
外国人との共生社会の実現に向けた
ロードマップ(令和7年度一部変更)
(概要)
https://www.moj.go.jp/isa/
このロードマップは、「対応策」とセット
となっているもので、
我が国が目指すべき外国人との共生社会のビ
ジョン、
それを実現するために取り組むべき中長期的
な課題及び具体的施策を示したものです。
「対応策」を理解する上でも、その前提とし
て欠かせない資料となっています。
まずは、基本的なスタンスを示した3つの
ビジョンでは、以下のように謳っています。
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1 目指すべき外国人との共生社会のビジョン
(三つのビジョン)
安全・安心な社会
これからの日本社会を共につくる一員として
外国人が包摂され、全ての人が安全に安心して
暮らすことができる社会
多様性に富んだ活力ある社会
様々な背景を持つ外国人を含む全ての人が社会
に参加し、能力を最大限に発揮できる、多様性
に富んだ活力ある社会
個人の尊厳と人権を尊重した社会
外国人を含め、全ての人がお互いに個人の尊厳
と人権を尊重し、差別や偏見なく暮らすことが
できる社会
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「外国人が包摂され」などは、まさに
インクルージョン。
インクルージョンとは、
「いろいろな人が個性・特徴を認めあい,
いっしょに活動すること」
−『三省堂国語辞典』
さらに、「ロードマップ」では、取り組むべき
中長期的な課題として、4つの重点事項をあげ
ています。
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2 取り組むべき中長期的な課題(四つの重点
事項)
1 円滑なコミュニケーションと社会参加の
ための日本語教育等の取組
2 外国人に対する情報発信・外国人向けの
相談体制の強化
3 ライフステージ・ライフサイクルに応じ
た支援
4 共生社会の基盤整備に向けた取組
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ここでも日本語教育の充実が筆頭にあげられ
ています。
いかに政府が日本語教育に力を入れようとし
ているのかがわかります。
では、日本語教育等の具体的な取組は何で
しょうか。
以下です。
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1 円滑なコミュニケーションと社会参加のた
めの日本語教育等の取組
○都道府県等が行う日本語教育を強化するため
の総合的な体制づくりを着実に推進するとと
もに、市区町村が都道府県等と連携して行う
日本語教育を含めて支援【文科省】
○生活オリエンテーション(日本で生活するた
めの基本的な情報提供、初歩的な日本語学習)
動画の作成・活用等により社会制度等の知識
を習得できる環境(来日前を含む。)を整備
【法務省】
○生活場面に応じた日本語を学習できるICT
教材の開発・提供等【文科省】
○来日前に円滑なコミュニケーション力を身に
付けるための海外における日本語教育環境の
普及【外務省】
○日本語教育機関認定の開始及び登録日本語教
員の資格制度の円滑な運用【文科省】
○企業等からの教育投資により認定日本語教育
機関がニーズに応じた質の高い教育を提供す
るモデルの確立【文科省】
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ご覧の通り、文科省を中心に法務省や外務省
など、いろいろな省が関わっています。
また、一番最後の起業からの教育投資施策が、
今回新たに加わった事項です。
今後どのように展開されるのか注目したい
ですね。
また、2つ目の生活オリエンテーション動画は
既に公開されていますね。
法務省出入国在留管理庁>生活オリエンテー
ション動画
https://www.moj.go.jp/isa/
「ロードマップ」の本文には、各項目について
詳しい内容が書かれています。
外国人との共生社会の実現に向けた ロードマップ
https://www.moj.go.jp/isa/
こうした資料に目を通すことで、政府の今後の
動向が見えてきます。
しっかり読み込んでくださいね(^_^)