外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 (令和7年度改訂)を読む(その4)

今回から実際に

「外国人材の受入れ・共生のための総合的
 対応策 (令和7年度改訂)」
 (以下、「対応策7」)
 https://www.moj.go.jp/isa/content/001440747.pdf

を読み込んでいきます。

今回は、「I 基本的な考え方」です。

こういう部分を読み飛ばしてしまう方が
結構いらっしゃいますが、

こういうところこそ、非常に重要です。

なぜなら、こここそがこれからの議論の
出発点になり、

様々な施策の根拠になるからです。

しっかり押さえておきましょう。

以下。

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I 基本的な考え方

 近年、我が国を訪れる外国人は増加傾向にあり、

令和6年における外国人入国者数は約3,678万人と、
前年に比べ約1,095万人増加し、過去最高を記録し
ている。

 また、我が国に在留する外国人についても、令和
6年(2024 年)末時点で約377 万人と過去最高を更
新した。

 我が国で就労する外国人についても令和6年
(2024年)10月末時点で約230万人と過去最高を記録
しており、今後更なる増加が見込まれることから、

引き続き、外国人材の適正な受入れ及び外国人材の
受入れ環境整備に政府全体で取り組んでいかなけれ
ばならない。

 政府においては、外国人材の受入れ・共生のため
の取組を、より強力に、かつ、包括的に推進してい
く観点から、

平成30年(2018年)12月に「外国人材の受入れ・共生
のための総合的対応策」(以下「総合的対応策」と
いう。)を決定し、

以後、状況の変化に応じて必要な施策を追加するな
どしつつ、

共生社会の実現に向けた取組を推進してきた。

 また、政府においては、令和4年(2022年)6月、
目指すべき外国人との共生社会のビジョン、

中長期的に取り組むべき課題としての重点事項及び
その具体的施策を示す

「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」
(令和4年(2022年)6月14日 外国人材の受入れ
 ・共生に関する関係閣僚会議(以下「関係閣僚会
 議」という。)決定。以下「ロードマップ」とい
う。)を決定し、

政府一丸となって外国人との共生社会の実現に向け
た環境整備を一層推進していくこととした。

 ロードマップは、施策の着実な実施を図るため、
令和5年度(2023年度)及び令和6年度(2024年度)
に続き、

実施状況について、有識者の意見を聴きつつ施策の
点検、見直し等を行った上で

ロードマップ(令和7年度一部変更)(令和7年
(2025年)6月6日関係閣僚会議決定)を決定した。

 総合的対応策の改訂については、これまで6回
行っているところ、

令和6年(2024 年)6月には、外国人材に対する受
入れ環境を更に充実させる観点から、

ロードマップの内容も踏まえ改訂し、関連施策を
推進してきた。

今回の総合的対応策(令和7年度改訂)は、外国人
材に対する受入れ環境を更に充実させる観点ととも
に、

ロードマップ(令和7年度一部変更)の記載内容も
踏まえ改訂した。

 総合的対応策は、従前、外国人材を適正に受け入
れ、共生社会の実現を図ることにより、

日本人と外国人が安全に安心して暮らせる社会の実
現に寄与するという目的を達成するため、

外国人材の受入れ・共生に関して、目指すべき方向
性を示すものとして策定されてきた。

 その策定目的は従前どおりであるが、ロードマッ
プの決定により、

総合的対応策では、ロードマップの施策について単
年度に実施すべき施策を示すとともに、

必ずしも中長期的に取り組むべき施策でないために
ロードマップには記載されていないものの、

共生社会の実現のために政府において取り組むべき
施策を示すこととしている。

 政府としては、日本人と外国人が互いに尊重し、
安全・安心に暮らせる共生社会の実現を目指し、

外国人がキャリアアップしつつ国内で就労して活躍
できるようにすることなどにより、

日本が魅力ある働き先として選ばれる国になるよう
な環境を整備していく。

 また、難民、補完的保護対象者及び第三国定住難
民を含め、

在留資格を有する全ての外国人を孤立させることな
く、社会を構成する一員として受け入れていくと
いう視点に立ち、

外国人が日本人と同様に公共サービスを享受し安心
して生活することができる環境を全力で整備してい
く。

 その環境整備に当たっては、受け入れる側の日本
人が、共生社会の実現について理解し協力するよう
努めていくだけでなく、

受け入れられる側の外国人もまた、共生の理念を理
解し、

日本の風土・文化や日本語を理解するよう努めてい
くこと、

そして、日本のルールや制度を理解し、責任ある行
動をとることが重要であることも銘記されなければ
ならない。

 在留外国人の増加が見込まれる中で、政府として、
法務省の総合調整機能の下、

引き続き、外国人との共生社会の実現に必要な施策
をスピード感を持って着実に進めていく。

 もとより、外国人との共生をめぐる状況は、絶え
ず変化し続けていくものであり、

総合的対応策に盛り込まれた施策を実施していれば
足りるというものではない。

 国民及び外国人の声を聴くなどしつつ、ロード
マップの実施状況の毎年の点検とともに、

定期的に総合的対応策のフォローアップを行い、政
府全体で共生社会の実現を目指していく。

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文科省の報告書にありがちな、

「国内の外国人が増加している」

ということを、統計資料も交えながらの論説。

このあたりは現状把握として理解しておき
ましょう。

そして、何より重要なのは、下記の部分です。

=======================

その環境整備に当たっては、受け入れる側の日本
人が、共生社会の実現について理解し協力するよう
努めていくだけでなく、

受け入れられる側の外国人もまた、共生の理念を理
解し、

日本の風土・文化や日本語を理解するよう努めてい
くこと、

そして、日本のルールや制度を理解し、責任ある行
動をとることが重要であることも銘記されなければ
ならない。

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これは、昨今の在住外国人の

▼医療費踏み倒し
▼交通事故の増加
▼犯罪の増加
▼近隣住民とのトラブル
▼保険料未納問題

などを受けてのものです。

これからは、ただ外国人を受け入れるという
だけではなく、

「遵法意識の高い、いい外国人を受け入れる。」

ということです。

このことは、おそらく今後日本人にも
及ぶことで、

少しずつ法律の厳罰化を進めることで、

「国籍に関係なく、いい人が集まる国。

 そうでない人には、やんわりと退場して
 もらう。国外に行ってもらう。」

そんな感じになるのではないかと思います。

ホワイト社会化が少しずつ、しかし確実に
進んでいくのではないかと思います。


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