外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 (令和7年度改訂)を読む(その5)

引き続き、

「外国人材の受入れ・共生のための総合的
 対応策 (令和7年度改訂)」
 (以下、「対応策7」)
 https://www.moj.go.jp/isa/content/001440747.pdf

を読み込んでいきます。

今回は、「II 施策」の中の

「1 円滑なコミュニケーションと社会参加のための
  日本語教育等の取組」

の中の

「(1)現状及び課題」

です。

政府は、日本語教育の現状をどうとらえ、
どのような問題意識を持っているのか。

この部分が、これからの具体的施策に大きく
繋がっています。

と同時に、皆さんも日本語教育の現状と問題点
について、

今回の内容をしっかり読んで、押さえておくと
いいでしょう。

以下。

======================

II 施策

1円滑なコミュニケーションと社会参加のため
 の日本語教育等の取組

(1)現状及び課題

ア 日本語教育等の機会提供

・令和5年(2023年)11月時点において、約14万
 人の外国人住民が日本語教室の開設されていな
 い市区町村に居住しており、

 日本語教育を受ける機会が十分に提供されてい
 ない。

 また、市区町村においては日本語教室に関する
 ノウハウ、人員不足等により日本語教育の実施
 が難しいところが多く、

 日本語教室が設置されていない市区町村は全体
 の約 39 パーセントである。

・外国人が生活上必要な情報にアクセスし、安全
 ・安心に暮らすことができるためには、

 日本語能力だけではなく、我が国の習慣・社会
 制度等を理解しておくことが重要である。

 国及び地方公共団体において、社会生活上の
 ルールや制度に関する周知に努めているところ、

 生活オリエンテーションについては、居住する
 地方公共団体によっては、その実施の有無や内
 容の違いにより、

 我が国の習慣・社会制度等に対する理解度に違
 いが生じ得る状況にある。

・公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生
 徒は、令和5年度(2023年度)調査で約6.9万人
 と、この約10年間で1.9倍に増加しており、

 これらの児童生徒に対して適切な教育の機会を
 確保するため、

 日本語指導も含めたきめ細やかな指導を行うな
 どの取組を実施している。

 高等学校においては、令和5年度(2023年度)
 から、「特別の教育課程」を編成した日本語指
 導を実施することが可能となっている。

・小・中学校においては平成26年度(2014年度)
 から、「特別の教育課程」を編成した日本語指
 導を実施することが可能となっている。

 しかし、日本語指導など特別な配慮に基づく指
 導を受けている児童生徒の割合は9割程度であ
 り、

 そのうち「特別の教育課程」による日本語指導
 を受けている児童生徒の割合は7割程度(令和
 5年度(2023年度)現在)に留まっている。

 日本語指導が必要な児童生徒に対し、学校にお
 いて体系的な日本語指導を受けられるよう、更
 に指導の充実を図る必要がある。

イ ライフステージに応じた体系的な日本語学習

・外国人がライフステージに応じて身に付ける必
 要がある日本語のレベ2 ルについての基準等が
 なく、

 外国人自らのニーズやレベルに応じ、体系的に
 順序立てて日本語学習を積み上げていくことが
 困難な状況にある。

ウ 日本語教育の質の向上等

・日本語教師の資質・能力を正面から担保する仕
 組みは十分ではなく、

 また、待遇が必ずしも十分でないなどの面で日
 本語教師としての長期的なキャリア形成が難し
 い状況が隘路となり、

 日本語教師の質の確保や量的確保・育成が課題
 となっている。

エ 育成就労外国人の日本語能力の向上

・人手不足分野における人材育成と人材確保を目
 的とする育成就労制度において、育成就労外国
 人が、育成期間を終えた後、

 A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)
 合格を要件とする特定技能制度に移行していく
 ことも見据え、

 日本語能力の向上を図る必要がある。

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内容をざっと要約すると、

▼日本語教育空白地帯の問題

▼生活オリエンテーションの地域差

▼特別の教育課程による指導の充実の必要性

▼外国人がライフステージに応じて学べる
 仕組みの構築

▼日本語教師の質や待遇の改善

▼育成就労制度における日本語力向上の必要性

といったところでしょうか。

私たち日本語教師としては、

▼日本語教師の質や待遇の改善

が気になるところですが、

結局のところ、日本語教育業でいかに
マネタイズしていくか、

そのためには、いかに地場産業とリンクさせて
いくかが成功の鍵ではないかと思います。

いずれにしても、政府や上記テーマについて
しっかり後押ししていくわけですから、

私たちもそれに応えるべく、しっかり知識
とスキルを高めていかなければならない
わけですね。

次回から具体的施策を読み込んでいきます。

どうぞお楽しみに(^_^)


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