外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策 (令和7年度改訂)を読む(その14)
引き続き、
「外国人材の受入れ・共生のための総合的
対応策 (令和7年度改訂)」
(以下、「対応策7」)
https://www.moj.go.jp/isa/
を読み込んでいきます。
引き続き、今後は、私たち日本語教師に関わり
の深い内容を選んでご紹介します。
今回は、「II 施策」の中の
「3 ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援
(2)具体的施策」
ウ 「青壮年期」を中心とした外国人に対する支援等
のうち、「1 留学生の就職等の支援」
について紹介します。
ただし、今回は非常に長いので前編と後編の2回に
分けてお届けします。
今回は、前編です。
しっかり読み込んでいきましょう。
以下。
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ウ 「青壮年期」を中心とした外国人に対する
支援等
1 留学生の就職等の支援
○関係省庁、産業界、支援事業者、大学等の連
携により策定した、
留学生の多様性に応じた採用選考や選考後の
柔軟な人材育成・処遇等に係るチェックリス
トやベストプラクティス等を内容とする
「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向け
たハンドブック」
について、関係省庁の各種制度や施策と連携
し、周知・活用促進を図るとともに、
地方公共団体や、企業の経営相談を行う各地
域の支援機関等に対しても横展開していく。
また、同ハンドブックに基づく留学生向けの
取組について、企業や大学等からの情報発信
を促すため、
関係省庁から経済団体や大学等への周知を徹
底していく。
〔経済産業省(厚生労働省、文部科学省等関
係省庁)〕《施策番号67》【ロードマップ56】
○日本貿易振興機構(JETRO)内に設置し
た
「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」
において、
関係省庁連携の下、高度外国人材の採用・活
躍のため、
企業及び高度外国人材双方に向けた各種情報
を発信する。
高度外国人材に関心を持つ企業に対しては、
高度外国人材の採用から入社後の活躍までの
様々な段階をサポートする伴走型支援を実施
するとともに、
中堅・中小企業や支援機関向けに作成した教
材等を活用した外国人材活躍のための企業風
土の醸成に取り組む等、
高度外国人材の就職後の活躍に関する支援を
行う。
さらに、オンラインジョブフェアや日本の就
労環境等を紹介するセミナー等のイベントの
開催を通じ、
日本企業への就職意欲を有する高度外国人材
に対するPR・就職機会の提供を行う。
〔経済産業省(法務省、外務省、文部科学省、
厚生労働省等関係省庁)〕《施策番号68》
【ロードマップ58】
○「外国人留学生の国内就職支援研修モデルカ
リキュラム」等を活用して、
外国人留学生等を対象とした、職場定着のた
めのコミュニケーション能力の向上や雇用慣
行等に関する知識の習得を目的とした研修を
実施する。
さらに、
「外国人社員と働く職場の労務管理に使える
ポイント・例文集」
や
「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向け
たハンドブック」
等を活用して、事業主向けセミナー等を通じ、
事業主や人事・労務担当、職場の上司等の職
場における効果的なコミュニケーションの方
法を周知する。
〔厚生労働省〕《施策番号69》【ロードマッ
プ59】
○ハローワークの「外国人雇用サービスセン
ター」や「留学生コーナー」を地域の拠点と
して、
担当者制によるきめ細かな相談・支援を行う
ほか、
地方企業、地方公共団体、JETRO等関係
機関と連携し、
インターンシップの充実や留学生向け求人の
掘り起こし、
就職ガイダンス等のセミナー、合同企業説明
会の開催等に取り組むことで、
留学生と企業の更なるマッチングの推進を図
る。
また、上記拠点において、地方公共団体が設
置する一元的な窓口と必要な連携を図る。
〔厚生労働省、経済産業省〕《施策番号70》
【ロードマップ60】
○大学と労働局(ハローワーク)の間で、協力
協定の締結等を通じて連携を強化し、
留学早期の就活セミナーから、インターン
シップ、就職活動期の個別相談、就職面接会
等に至るまでの外国人留学生に対する一貫し
た就職支援を実施する。
また、そこで得られた好事例やノウハウ等を、
全国の大学及び関係機関等に共有する。
〔厚生労働省、文部科学省〕《施策番号71》
【ロードマップ60】
○日本の大学・大学院等を卒業・修了した留学
生の就職支援に向けた特定活動告示(第46号)
の周知を引き続き行う。
〔法務省、厚生労働省〕《施策番号72》
○大学等の秋卒業者の国内就職を促進するため
企業等の通年採用が促進されるように取り組
むとともに、
就職が内定した留学生に対し、採用までの間
本邦に滞在することを認めている「特定活動」
の在留資格の企業等への周知を引き続き行う。
〔法務省、経済産業省〕《施策番号73》
○日本の食文化海外普及人材育成事業は、日本
の食・食文化の海外普及の促進を行うため、
調理又は製菓の専門学校を卒業した留学生が
引き続き国内の飲食店等で働きながら、技術
を学べる制度である。
本事業の適正な運用を行いつつ、農林水産省
ホームページにおける情報掲載等を通じて普
及を図る。
〔法務省、厚生労働省、農林水産省〕《施策
番号74》
○「外国人起業活動促進事業」及び本邦の大学
等を卒業した外国人による我が国での起業活
動に係る在留資格「特定活動」(令和2年
(2020年)11月措置)につき、広報・周知を
図る。
〔法務省、経済産業省〕《施策番号75》
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今回、留学生に対する支援の前編をお送り
いたしましたが、
この量だけでも、いかに政府が留学生の活用
に力を入れているのかがわかります。
やはり留学生は、基本的に日本に対して
好意的で、
しかも、相応の知的水準に達しており、
日本語力も比較的高く、
日本の滞在歴が長いので、日本での生活にも
順応しています。
これからの人口減少社会、特に労働人口が
急激に減少する日本においては、
留学生に日本の産業の一翼を担っていただく
というのは、非常に重要です。
それから、もう一つ注目したいのは
> 日本の大学・大学院等を卒業・修了した留学
> 生の就職支援に向けた特定活動告示(第46号)
> の周知を引き続き行う。
というところ。
この特定活動第46号は、通称「N1特活」
と言われているもので、
日本の大学・大学院を卒業し、日本語
能力試験N1に合格していると、
在留資格「技術・人文知識・国際業務」
では活動が認められていないサービス業に
就くことができる在留資格です。
留学生の就職支援に係る「特定活動」
(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン
https://00m.in/qSBbm
ですので、日本語能力が高く、日本でサービ
ス業で就職したい、大学・大学院留学生には
ぜひ紹介したいところです。
これを知らない日本語教育関係者、進路担当
の方が多いようですので、ぜひ知っていた
だきたいと思います。