バックワードデザインを初級授業設計に落とし込む。
ご存じの通り、現在、日本語学校では
認定日本語教育機関の申請に伴い、
『日本語教育の参照枠』(以下、『参照枠』)
https://00m.in/nMZtU
に基づいた教育体制へと移行しつつ
あります。
Can do、行動中心アプローチ。
現場では、特に初級の授業の進め方で
戸惑われている方も多いのではない
でしょうか。
これまでのような文型積み上げ式の
授業ではなく、
▼行動目標を掲げ、
▼行動目標を試すタスクを作成し、
▼達成度を測る評価法を決め、
▼しかる後に授業計画を作成する。
そのような授業設計が求められます。
これを
「バックワードデザイン(逆向き設計)」
といいます。
極端な話、行動目標が達成される
のであれば、
同レベルのクラスであっても、
導入する語彙や表現、文型が
違っても問題ありません。
それらは、あくまで行動目標を
達成するための手段に過ぎないから
です。
とはいえ、実際問題、同じ教科書を
使っている複数のクラスで、
指導内容に差が出てしまうのでは、
いろいろな意味で不都合です。
クラス間の成績評価の整合性を
とるのが難しくなりますし、
場合によっては、
「あの先生は、いろいろな表現を
教えてくれるのに、
この先生はあまり教えてくれ
ない。」
等といった学習者からのクレームが
出てこないとも限りません。
つまり、制度上の理想・自由度と
現場の現実・制限のバランスを
どうとるか。
そして、そうした教授アプローチ
の転換に、私たち教師がいかに
意識を転換し、
実際の指導技術に落とし込んで
いくか。
これが非常に重要なんですね。
これを体得するためには、
改めて手元の教材を行動中心
アプローチの観点から分析し直し、
バックワードデザインの考え方に
沿って授業をリデザインすることが
重要です。
ただ、これを一人でやろうとしても
なかなか難しい。
なぜなら、どうしても今までの考え方、
今までのやり方に引っ張られてしまう
からです。
なので、志を同じくする者同士で
いろいろと議論したり、
お互いの授業計画を見合わせたり
しながら、
手と頭に汗をかいて取り組む
ということが重要なのです。
そうした作業を通じて、少しずつ
脳内の回路が書き換えられ、
『参照枠』の理念に沿った教育観や
授業設計技術が身につくんですね。
来月、11月28日の
「篠研サロン−教育実践部」
https://www.kanjifumi.jp/
では、
『日本語教育の参照枠』に沿った初級授業
−『日本語初級1 大地』の授業研究−
と題して、サロンメンバーが担当した
課ごとに、
バックワードデザインに沿った授業計画を
持ち寄って検討します。
これから入会したいという方は、まずは
見学だけするといいでしょう。
各メンバーが作成した授業計画10数本を
手に入れることができるのも大きな魅力
です。
明日の授業ですぐ使える内容です。
よろしかったら、ご入会をご検討ください。
