外国人児童生徒等有識者会議資料を読む(その1)

前回までご紹介してきた経団連の提言
だけでなく、

このところ、政府においても様々なところで
日本語教育に関する議論が進められている
ようです。

政府の議論のほとんどは、数年後に実現
するものですので、

私たち日本語教師もしっかりキャッチして
おく必要があります。

昨年12月にも文部科学省において、

外国人児童生徒等の教育の充実に関する
有識者会議(令和7年度)(第9回)
https://00m.in/PIUpl

が開かれました。

これは、タイトル通り、今後の日本語指導
が必要な児童生徒に対する教育の充実に
向けたものであり、

ここで行われた議論が、数年後には制度化
されるでしょう。

そこで、今回から数回にわたり、上記会議
の資料を読み解いていきたいと思います。

今回は、

【資料1】
外国人児童生徒等の教育の充実に関する
有識者会議における これまでの議論の
整理(案)
https://www.mext.go.jp/content/20251218-mxt_kyokoku-000046297_01.pdf

です。

この資料自体も結構な分量ですので、
数回に分けてお届けします。

とはいえ、これまでの議論を整理した
非常に重要なものですので、丁寧に
読み込んでいきましょう。

以下。

———————————————————————

<背景・総論>

○日本社会の内なるグローバル化が進展し、少子化
 ・人口減少が進む中、

 一人一人が自分のよさや可能性を認識するととも
 に、

 あらゆる他者を価値のある存在として尊重する共
 生社会の実現が不可欠である。

○学校教育においては、多様性を包摂し、一人一人
 の意欲を高め、

 可能性を開花させる教育を実現することが喫緊の
 課題。

 誰一人取り残されず、相互に多様性を認め、高め
 合い、他者のウェルビーイングを思いやることが
 できる教育環境を整備することが求められている。

○ストレングス・アプローチの考え方の下、全ての
 子供たちが持っている「長所・強み」に着目し、

 可能性を引き出して発揮させていく視点(エンパ
 ワメント)を取り入れることが重要。

 また、周りの子供や大人が多様性を尊重すること
 を学ぶことにより、

 従来の価値観の問い直しや学校や社会の在り方に
 ついて再検討するといったマジョリティの変容に
 つなげていくことも重要である。

○子供たちの強みを十分に伸ばしていくためには、
 子供を取り巻く家庭や地域、学校、教育行政等が
 つながり、

 ネットワークを形成しながら支援を行っていくこ
 とが必要である。

○ことばは、学校や社会生活への適応やコミュニ
 ケーションをとること、学習に参加し、

 自己実現とアイデンティティの形成を支える重要
 な役割を果たすものであり、

 学校の教育活動全体を通じて、外国人児童生徒等
 のことばの力を育むことが求められる。

<分野ごとの検討事項>

1.指導内容の深化・充実

 ・外国人児童生徒等の資質・能力を育成するため
  の指導の在り方

  (母語の力の活用、子供の持つ多様性を「長所
   ・強み」として生かす視点、障害のある子供
   への対応を含む)

 ・すべての教師や支援員等が子供たちに質の高い
  学びを提供できるようにするための方策

  (指導のガイドライン、デジタル技術の活用、
   教材の効果的な活用を含む)

————————————————————————

「ウェルビーイング」とは、世界保健機関(WHO)
では、

「個人や社会のよい状態。健康と同じように日常
 生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的
 な状況によって決定される。」

と定義されています。

単に病気になっていないというだけでなく、
社会的、経済的、環境的にも健全な状態という
ことなんですね。

翻って、国や社会は児童生徒を取り巻く様々な
要因に対して全方位的な改善に取り組まなければ
ならないということを意味していると思います。

さらに、「ストレングス・アプローチ」とは、

「「できない」ことに着目するのではなく、
 「できる」ことに着目しようという考え方」

            −京都光華大学HPより。

外国人児童を「日本語ができない子」ととらえる
のではなく、

「多様な能力とポテンシャルをもった子」

ととらえ、その強みを伸ばそうという考え方
だと思います。

そして、そうした潜在的能力をしっかり伸ばす
ためにも、指導内容を充実する必要があるん
ですね。

当然、私たち日本語教師もその一翼を担うこと
になるわけです。


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