外国人児童生徒等有識者会議資料を読む(その2)

前回に引き続き、

【資料1】
外国人児童生徒等の教育の充実に関する
有識者会議における これまでの議論の
整理(案)
https://www.mext.go.jp/content/20251218-mxt_kyokoku-000046297_01.pdf

です。

第2回目の今回は、タイトルをつけるとすれば、

「指導体制の確保・充実」

でしょうか。

外国人児童生徒が急増している現在、
指導体制の確立は急務です。

この点について、国はどう考えている
のでしょうか。

以下。

———————————————————————

【資質・能力を育成するための「日本語指導」の
 再定義】

〇外国人児童生徒等教育においては、これまで様々
 な課題に対応し、一定の成果を上げてきたといえ
 るが、課題も多く残されている。

 外国人児童生徒等教育に関して社会全体で明確な
 目標を共有し、取組を進めていく必要がある。

〇日本語指導の再定義にあたっては、多様性を強み
 として社会に主体的に寄与する力を育む教育とし
 て改めて捉え直すことが求められる。

〇日本語指導のための特別の教育課程が義務教育段
 階(平成26年度〜)及び高等学校段階(令和5年
 度〜)で制度化されて以降、着実に活用が進み、

 一人一人の教師や支援員等の日々の試行錯誤や創
 意工夫により、子供たちの学びが支えられてきた。

〇初期指導等での漢字や文法等の習得に止まらず、
 児童生徒が自ら日本語で教科を学び、資質・能力
 が身に付くよう、

 日本語と教科の統合学習による質の向上が課題で
 ある。

 このためにも、日本語と母語の力を活用した『知
 識及び技能』と『思考力、判断力、表現力等』の
 一体的な育成が特別の教育課程の目的であること
 を明確化する方向で再定義し、

 学校教育法施行規則等の規定を改正することが必
 要である。

〇「日本語指導」の再定義においては、外国人児童
 生徒等が主体性を発揮して学ぶことができるよう、

 『学びに向かう力、人間性等』も非常に重要な要
 素であることにも留意し、指導の在り方を示して
 いくことが必要である。

【多様性を包摂する学校教育・在籍学級での学びの
 在り方】

〇子供の持つ多様性を「長所・強み」として生かす
 視点は、

 外国人児童生徒等のみならず、全ての子供たちの
 可能性を開花させていくためにも重要である。

 学校全体が多様性を包摂し、多様性を強みにして
 いけるよう、

 ユニバーサルな視点での学級づくり・授業づくり
 等、具体的な方策を検討していくことが求められ
 ている。

〇具体的には、学校・学級に多様な子供がいること
 を前提に、

 やさしい日本語の活用や環境整備等、通常の教育
 活動全体を通した基礎的な支援を行うことが求め
 られる。

 そのうえで、個別のニーズに応じて特定の集団や
 個人に対して指導・支援を展開するなど、多層的
 な支援の在り方を構築する必要がある。

 その際には、在籍学級と特別の教育課程の学びの
 連続性、知見の相互共有の在り方等についても検
 討を行うことが重要である。

〇また、在籍学級の担任と日本語指導担当教師・支
 援員等との間や、

 入学・転入時における学校及び校種間での個々の
 児童生徒の学びの情報を共有することは、

 幼小中高から生涯学習までを通じた学びの連続性
 を保つ上で有効である。

 個別の指導計画の活用を含め、児童生徒の情報の
 把握や共有方法の検討も必要である。

〇外国人児童生徒等が自己肯定感を育みながら、学
 びに向かい、安心して学校生活を過ごし、

 豊かな日常を過ごすためには多言語・多文化を尊
 重する環境づくりが重要であり、

 他の児童生徒にとっても、異文化理解や多文化共
 生について考えを深める機会となる。

〇学校全体で多文化共生の教育に取り組む際には、
 管理職のリーダーシップ及び教職員の理解促進や、

 受容的な学級づくり及び多様な子供の強み等を引
 き出し自己肯定感を高める指導等の学級での受入
 れ体制を整えることも重要である。

 外国人児童生徒への教育を充実させるには、本人
 だけでなく学級の子供たちへの理解や関わり方の
 指導も取り入れることが重要である。

【児童生徒の様々な「力」を引き出し、効果的な指
 導を行うための方策の検討】

〇外国人児童生徒等教育に初めて携わる教師を含め、
 全ての教師や支援員等が資質・能力を育成するた
 めの指導を体系的・専門的に実施するとともに、

 多様性を強みにできる学校づくりを目指していけ
 るよう、その考え方や指導内容・方法等を含めた
 全体像を示す必要がある。

 その際、指導における具体的な指標を明確にする
 とともに、

 そのためにことばの教育として教える内容や多文
 化・多言語の児童生徒の特性等も踏まえて留意す
 べき事項については、

 今後さらに検討を進める必要がある。

〇留意すべき事項として、例えば、多文化・多言語
 の児童生徒等の多様な背景の理解、母語を含むこ
 とばの力の適切なアセスメント、

 指導における心理的安全性の確保、来日期間等を
 踏まえた指導上の配慮などが考えられる。

 また、外国につながりがあり、かつ障害がある子
 供に対する支援に関して具体的な方策を示してい
 くことが必要である。

〇外国人児童生徒等の資質・能力を育成するために
 は、

 様々な教育活動と関連付けながら、課題解決型の
 学習を通して言葉も学んでいくことや、

 児童生徒のこれまでの学習・生活経験をいかして
 いくことなど、

 これまでの日本語指導で示されてきた考え方を改
 めて強調したうえで、具体的な方策を示すことが
 重要である。

〇教科の学習に参加するためのことばの力の獲得に
 は 5 年以上かかるといわれている。

 そのため、取り出し指導終了後も在籍学級での継
 続的な支援が必要であることを、より強いメッ
 セージとして示すことが必要である。

 その際に留意すべき事項、在籍学級での学習や各
 教科において必要な配慮を示すことも期待される。

〇デジタル学習基盤の活用を前提とした学びも進む
 中、

 学習における母語の力の活用にむけて、会話・翻
 訳・読み上げ・ルビ振り等での生成AI等のデジタ
 ル技術の効果的な活用方法について具体的推進方
 策を検討すべきである。

 ただし、翻訳に依存することによって言語習得の
 機会が損なわれたり、誤訳による理解の偏りが生
 じたりしないよう、

 適切な利用の在り方についても併せて検討するこ
 とが重要である。

〇授業や学習場面で使用される言語である学習言語
 の習得は、

 全ての子供にとって教科学習において重要であり、

 特に学習語彙は教科学習の内容理解に不可欠であ
 ることから、

 学習語彙を含む学習言語に関する適切な指導方法
 等について検討を進める必要がある。

〇指導と評価の一体化の観点から、外国人児童生徒
 等の日本語能力に配慮した適切な評価方法などに
 ついて、

 学習指導要領の議論を踏まえ、方向性を示すこと
 が重要である。

 その際、学習指導要領で示されている教育内容や
 各教科の目標と日本語指導の指標との関係を、

 大きな枠組みとして見える形で提示していくこと
 が求められる。

〇特別の教育課程における学びが正当に評価されず
 高校進学にも影響している現状を踏まえ、

 日本語指導の成果を児童生徒の評価に適切に反映
 させる仕組みづくりが大きな課題である。

〇学力の問題が日本語能力の未習得によるものか、
 特別支援の対象かを正しく判定できる診断方法が
 未整備であり、

 誤った判断につながる可能性がある。

 適切なアセスメントと相談・支援の仕組みを確立
 することが不可欠である。

2.指導体制の確保・充実

・指導体制の在り方(集住地域・散在地域における
 支援の在り方、校内体制の整備を含む)

・日本語指導担当教師の配置やキャリアパス

・日本語指導補助者(登録日本語教員を含む)や母
 語支援員との連携

・関係機関(支援団体、大学、企業等)との連携
————————————————————————

多様性の尊重を基盤にして、

「日本語と教科の統合学習による質の向上」

を謳い、

「教科の学習に参加するためのことばの力の獲得に
 は 5 年以上かかるといわれている。」

とCALPにも言及している点は高く評価したい
と思います。

今後、BICSだけでなくCALPに対しても
しっかりした指導体制ができていけば、

外国人児童生徒にとっても保護者の方々に
とっても

随分心強いのではないかと思います。

さらに、生成AIの活用に言及している
ことから考えれば、

私たち日本語教師もAIリテラシーを
上げていかなければなりませんね。

ですが、それは日本語教師でなくても
生きていく上で必須のスキル。

楽しみながら身につけていけばいいと
思います。

今回の部分は、課題もたくさんありますが、
要は人とお金をどう確保するか。

今後はこのことも念頭に、さらに読み進め
ていきます。


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