外国人児童生徒等有識者会議資料を読む(その4)

前回に引き続き、

【資料1】
外国人児童生徒等の教育の充実に関する
有識者会議における これまでの議論の
整理(案)
https://www.mext.go.jp/content/20251218-mxt_kyokoku-000046297_01.pdf

です。

第4回目の今回は、タイトルをつけるとすれば、

「教員の養成と確保」

でしょうか。

ここで1つ訂正です。

前回の記事の最後に、

「3.日本語指導担当教師等の指導力の向上」

を掲げましたが、これは今回紹介する部分の
頭でした。

ですので、今回は上記項目から始めます。

今回は、少し長いので2回に分けてお届け
します。

しっかり読み込んでいきましょう。

以下。

———————————————————————

3.日本語指導担当教師等の指導力の向上

・管理職・日本語指導担当教師・在籍学級担任や日
 本語指導補助者等の資質能力 向上のための方策

 (日本語指導担当教師等の養成・採用・研修の在
  り方や登録日本語教員の活用に向けた方策を含
  む)

【教員養成の在り方】

〇外国人児童生徒等の教育を担う教員や支援者の資
 質・能力の向上を図るため、

 指導経験、地域や学校の状況・課題等に応じて体
 系的な養成・研修を行うことを可能とするモデル
 プログラムを開発し、

 教育委員会や大学等に周知し、活用を促してきた
 ところ。

〇教職課程のコアカリキュラムにおいて

 「障害はないが特別の教育的ニーズのある幼児、
 児童及び生徒の把握や支援」

 に関することが位置付けられているところ。

 このように特別支援の中で外国人児童生徒等に関
 する内容が扱われていることについては、検討が
 必要である。

〇教員養成課程に外国人児童生徒等教育を、きちん
 とシステムとして組み込んでいくことが大事。

 コアカリキュラムの中に、具体的に、言語文化が
 多様な子供たちに対する教育の在り方について学
 ぶという項目を入れるということが求められる。

〇現行のコアカリキュラムで示されている到達目標
 は、組織的な対応の必要性の理解に留まっている。

 今後は、学習過程の理解や支援の方法についても
 含めていく必要がある。

 そのためには、時間数の拡充が求められる。

〇外国人児童生徒教育について、全ての学生、教員
 が学ぶことを必修化していくことが重要。

 なお、複雑な背景をもつ子供たちに対応するため
 には、

 個々の問題を並列的に扱うのではなく、統合的な
 カリキュラムの設計が必要。

 そのために、現在のコアカリキュラムを多様性の
 包摂を踏まえたものに変え、各論として個別課題
 を扱うことが求められる。

〇学生が共通に身に付けるべき共通の内容として、
 異文化理解、多様なマイノリティーへの理解、人
 権感覚等が求められる。

 そのためには、当事者との出会いや異なる環境に
 身を置く経験などが有効である。

〇学生の専門性を高めるという観点で、外国人児童
 生徒等教育関連の科目をパッケージ化して履修証
 明書を出すという取組を行っている大学もある。

〇教職課程で学ぶ学生は、数多くの必修科目の履修
 をしなければならず、

 専門性として登録日本語教員の資格取得を目指す
 ことが難しい状況がある。

 登録日本語教員養成課程と教職課程の同時履修が
 可能なカリキュラムの構築の促進が求められる。

〇在籍学級において学習言語などに配慮した授業を
 行うためには、

 大学において、専攻教科に関わらず日本語教育の
 基礎的理解を身につけられるような科目設定が求
 められる。

〇教育学部で、日本語教育の専門性も有する教員養
 成を図る場合、

 日本語教育を専門分野とする大学教員が必要とな
 るが、

 現在の教育学部にはそのような人材は不足してい
 る。

 ゲストスピーカーなどを活用して、学校現場や地
 域と連携しながら授業を行っていくなど工夫が必
 要である。

〇全員が学ぶ基礎的内容、専門性を持つ人が学ぶ応
 用的内容、登録日本語教員を目指す人が履修する
 高度な内容という三段階の構成が必要。

【教師等の採用について】

〇大学での学びを活かす配置と、日本語指導の専門
 性を身に付けることに対する学生へのインセン
 ティブが伴った制度設計が必要である。

〇外国籍教員の任用は、外国人児童生徒のロールモ
 デル形成や異文化理解の充実に寄与するものであ
 る。

 しかし雇用形態等には依然として課題があり、改
 善が求められる。

〇日本語教育の専門性を有する人材を専門職として
 活かす仕組みの構築が求められる。

————————————————————————

本文中にある「教職課程のコアカリキュラム」
とは、以下のものです。

教職課程コアカリキュラム
https://00m.in/ARTwT

これのp.15にある

「特別の支援を必要とする幼児、児童及び
 生徒に対する理解」

の中の

「(3)障害はないが特別の教育的ニーズのある
 幼児、児童及び生徒の把握や支援」

の「到達目標」で以下のように述べられています。

「1)母国語や貧困の問題等により特別の教育的
 ニーズのある幼児、児童及び生徒の学習上又は
 生活上の困難や組織的な対応の必要性を理解し
 ている。」

「母国語」という言葉に違和感を感じますが、
(差別につながる言葉なので、「母語」を
 使うのが一般的。)

それはさておき、確かに組織的な対応の理解に
とどまっています。

> 今後は、学習過程の理解や支援の方法についても
> 含めていく必要がある。
>
> そのためには、時間数の拡充が求められる。

とあります。

教職科目の削減の流れの中で、時間数の拡充を
謳っているというのは注目に値します。

学習過程の理解や支援の方法は、90分やそこら
で身につくものではありません。

今までの教職科目にはない内容だと思われ
ますので、できれば専用の科目を設けよ、
ということだと思います。

また、

> 登録日本語教員養成課程と教職課程の同時履修が
> 可能なカリキュラムの構築の促進が求められる。

とあります。

私が勤めている別府大学の場合、両方あり、
同時受講している学生もいますので、

教職課程を履修する学生がより履修しやすい
環境になれば、非常にいいと思います。

さらに、教員の採用については、すでに
いくつかの県で、登録日本語教員の資格が
あれば、

一次試験で数十点上乗せするという措置を
しているところもあります。

そう考えると、今後は新卒教員の日本語教育
参入が増えてくるのではないか。

そんな期待を持ちます。


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