「させていただく」の適切な使い方とは?

「させていただく」の過剰使用が問題に
なることがあります。

皆さんも、今まで、

「そこで『させていただく』を使うか?」

と思われたこと、1度や2度はあるのでは
ないでしょうか。

例えば、割引セールをしているお店の張り紙に、

「●%値引きさせていただきます。」

と書いてあったりしますよね。

この「させていただく」の過剰使用問題は
今後、検定試験にも出題される可能性が
極めて高いと考えています。

そもそも、この「させていただく」は
敬語の部類に含まれますが、

敬語は、検定試験でも毎年出題されて
いる、常連分野なんですね。

それだけに、「させていただく」の正しい
用法はしっかり押さえておいた方がいいで
しょう。

では、この「させていただく」の正しい
使い方とは?

WEBで学ぶ通信講座
「篠研の日本語教育能力検定試験対策」

講義資料No.094「敬意表現」

では、以下のように解説しています。

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「させていただく」の使い方の問題

 「させていただきます」という表現は、
「基本的には、自分側が行うことを、

ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い、
イ)そのことで恩恵を受けるという事実や
  気持ちのある場合に使われる」
        (文化審議会(2007)p.40)

表現です。

従って、この表現を使うためにはア)とイ)
を満たす必要があるわけですが、

実際の言語生活を見てみると必ずしもそう
とは言えないケースがあり、

また、その許容度にも段階性が見られます。

(24)を見てください。

(24)1.素敵な万年筆を使わせていただ
     き、ありがとうございました。
   2.それでは、これから発表させて
     いただきます。
   3.お値段、サービスさせていただ
     きます。

 (24)1はア)、イ)ともに満たしてい
ると考えられることから、正用と判断して
いいでしょう。

(24)2はア)を満たすのであれば正用で
すが、そうでなければ冗長な言い方になり
ますので、

「それでは、発表いたします。」などにす
るのが適切です。

(24)3は客の許可を得て値引きしたわけ
ではないのでア)は満たされず、

また、なにより値引きによって恩恵を受け
るのは話し手ではなく聞き手である客です
のでイ)も満たしていません。

従って、規範的な立場から言えば誤用とな
ります。

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いかがでしょうか。

ご理解いただけましたでしょうか。

これぐらいの解像度の高い知識を
しっかり積み上げていくことが、
検定試験合格には必要です。

頑張ってくださいね(^_^)

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