応用試験を突破するには?(その12)
前回からの続きです。
人間の価値は、もはや体力でも知力でも
ない、新たな
【第3の力】
が台頭してきます。
それは何か。
それは、【人間性】です。
まさに人間の本質にかかわる部分です。
具体的には、
▼不正なことをしない。
▼不道徳なことをしない。
▼偏見や差別的な言動を取らない。
▼やんちゃなことをしない。
を前提に、
▼清潔感があり、第一印象がいい。
▼いつも穏やかで気配りができる。
▼社会的弱者にやさしい。
▼対立より協調性を志向する。
といった価値観を持った人間です。
ここで連想されるのが、「必須の教育内容」
の
<33>異文化コミュニケーション
に含まれる、ホフステードの価値観に
関する4つの尺度のうちの
「女性らしさ対男性らしさ」
です。
ホフステードによれば、女性らしさの
強い社会というのは、以下のような
価値観を持つ社会と言われています。
・社会において支配的な価値観は、他者に
配慮して、控えめにふるまうことである
・男女ともやさしく、人間関係に気を配る
ものであると思われている
・弱者へのいたわりがある
・平均的な学生であればよく、学校で失敗
することは、たいしたことではない
・教師は親しみやすさを求められている
・生きるために働く
一方、男性らしさの強い社会というのは、
以下のような価値観を持つ社会と言われ
ています。
・社会において支配的な価値観は、物質的
な成功を遂げ、進歩することである
・男性は自己主張が強く、野心的でたくま
しいもの、女性はやさしく、人間関係に
気を配るものであるとされている
・強者への共感がある
・もっとも優れた学生でなくてはならず、
学校で失敗することは、致命的である
・教師は優れた才能を求められている
・働くために生きる
このように、対比してみてみると
よくわかると思いますが、
今の日本はどんどん「女性らしさの強い
社会」の価値観に移行していると考える
ことができるわけです。
また、こうしてみてみることによって、
今まで述べてきた、
▼ホワイト社会化
▼ユニバーサルデザイン
▼Z世代の価値観
といったことが、全部繋がっていると
いうことも見えてくると思います。
そして、こうした人間性は、
「日本語教育の参照枠」
https://00m.in/nMZtU
の中の、CEFRが掲げる
「言語使用者及び学習者の言語能力
熟達度を構成する能力」
の中の「一般的能力」の中の
「実存的能力」
に繋がっていきます。
(「参照枠」のp.76)
実存的能力とは、
「態度・動機・価値観・信条・認知的
スタイル・性格」
に関わる能力です。
いかがでしたでしょうか。
こうして、これまでご紹介した
様々な知識を、
繋げて、繋げて考える力というのが、
日本語教員試験の応用試験では、
非常に重要なのです。
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