初級の文型導入授業そのものが、この世からなくなる日(その3)

前々回からシリーズでお届けしております。

 

初級の文型導入授業そのものが、この世から
なくなった先で、私たち日本語教師に求め
られるのは、

日本語文法に関する学者レベルの膨大かつ
詳細な知識ではなく、

学習者とリアルで楽しい会話を展開できる

【コミュニケーション力】

です。

 

とはいえ、いきなりそんな発想の転換は難しい。

 

現実問題として、明日の授業の準備がある。

 

新しいことを取り入れるためには、
新しいことを取り入れられるスペースを、
自分の中につくることが必要です。

 

そのためには、今抱えているもののうち
捨てられるものを捨てるか、

それができなければ、できるだけ抱えている
仕事を圧縮するしかありません。

 

現実問題として、直近でできるのは
後者のほうではないでしょうか。

 

そこで、それを実現する方法を提供する学びの
場として、

◆篠研の日本語の教え方ワークショップ
「初級文型導入の授業準備を短縮する方法
-まずは1時間以内、そして30分、最速10分」
https://www.kanjifumi.jp/bunkeitansyuku/

東京:8月11日(日・祝)

を企画したわけです。

 

まずは、現在多くの日本語教師の方が抱えている

【初級文型導入の授業準備を短縮したい】

という問題を解決しなければ、次のステージに
進めないと考えたのです。

 

この問題を解決して初めて、私たち日本語教師が
次のステージで求められる

【コミュニケーション能力】

に目を向けることができるはずです。

 

しかしながら、ここにも大きな壁が。

 

それは、学習者との授業中のコミュニケーションに
苦手意識を持っている日本語教師が、思いのほか
多いということです。

 

例えば、

▼初級文型導入後のコミュニカティブ活動

▼会話の授業

▼さまざまなタイプの授業(例:精読授業)
のときの学習者とのやりとり(=インタラクション)

こうしたことに苦手意識を持つ日本語教師が
とても多いんですね。

 

ですが、日本語教師に求められるコミュニケーション
というのは、実はとてもシンプルなんです。

 

それは、「質問」。

 

学習者と上手くコミュニケーションをするためには、
学習者よりも先に教師が学習者に質問すればいい。

 

例えば、

「好きなアニメは何ですか。」

あるいは、

「はい、じゃあ、『~ながら』の前の
動詞は何形ですか。」

そして、相手の返事を待てばいいのです。

 

そうすれば、学習者はその質問に日本語で答え
なければいけませんから、

頭の中であれこれ考え、とにかく日本語で表現
しようと努力する。

 

そして、その答えが正しければ、

「へえ、面白そうですね。」

と共感するなり、

「その通り。素晴らしいですね。」

とフィードバックするなり、

あるいは、さらに質問をしたりすればいい。

 

常に質問する側に立つことで、学習者を
考えさせ続けることができますし、

授業の主導権も握ることができます。

 

私たち教師は、得てして

「学習者に新しいことを教えよう。」

という意識が強く働くあまり、授業中
説明することに終始。

 

結果、授業中、頭をフル回転させて
喋っているのは日本語教師で、

学習者は、巣で親鳥のえさを待つヒナの如く、
ただただ受身に聞いているだけ、

もちろん、頭など1mmも動かしていない、

となるのです。

 

それが、教師が学習者に「質問」することで
立場が一気に逆転します。

 

学習者は、頭の中であれこれ考え、とにかく
日本語で表現しようと努力する。

 

結果、授業は程よい緊張感を保ちながら
活発になり、

学習者の日本語力が向上するのです。

 

つまり、教師は「新知識の伝道者」ではなく、

「潜在能力の引き出し役」

なんですね。

 

こういったことを、現在企画中の

【篠研の日本語の教え方ワークショップ
「学習者が前のめりになる質問型授業」】

で、初級から上級レベルまで、質問型授業の
ノウハウを体系的にご提供したいと考えています。

 

今しばらくお待ちくださいね(^_^)


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