「実習生、『メシ、食った?』も分らんぞ!」というクレームへの 対処法。

1か月の「講習」を受けた後、

実習生は各監理団体を通じて
さまざまな職場で実習をするわけですが、

そこで受け入れた監理団体や実習先から
いろいろなフィードバックを受けます。

そんな中で少なからずあるのが

「1か月も日本語の講習を受けたのに
全然日本語が通じないよ」

という内容のクレーム。

たとえば、

「『メシ、食った?」なんて簡単な言葉すら
分からないじゃないか!」

というようなクレームが来るわけです。

この時、どのように対処するのか。

小心者の私であれば

「大変申し訳ありません。以後カリキュラムと
指導の充実に努めてまいります。」

というような反応をしそうですが(汗)、

実はそれは正しい対応ではないんですね。

なぜか。

そもそも、入国前の日本語学習を含めても
たった4ヶ月の実習生が

「メシ、食った?」

という日本語が理解できるか、ということ。

4か月の勉強では、まだ「メシ」という
単語は出て来ないでしょう。

「ごはん」です。

また、「食った(くった)?」のような
普通体も、

動詞の活用形を一通り学習しなければ
ならないので、

4か月では、まだ学習していない可能性が
非常に高いです。

たとえば、『みんなの日本語』であれば、
普通体は20課で出てきます。

この程度のレベルの日本語を学習しているか
といえば、

おそらく済んでいない可能性が高いわけです。

文末に「か」がないので、どうかすると
疑問文かどうかもわからないでしょう。

つまり、日本人にとっては「飯食った?」が
簡単な日本語のように思えても、

実習生にとってはまだ未習の語彙、表現、
文法を含んだ難しい表現であるということ
なんですね。

したがって、こういったクレームに対して
私たちがどう対処すべきかというと、

監理団体に

「いやいや、あなたの日本語は実習生には
分かりませんよ」

あるいは、

「その言い方は、実習生はまだ勉強して
いないので、分かりませんよ。」

とうようなアドバイスをすることが
大事なんですね。

一般の日本人の方には、1か月や4か月の
学習期間で、どれくらいの日本が身につくのか
なかなか想像できません。

中には、

「1か月も日本にいれば、日常生活は日本語で
十分だろう。」

などと考える方もいらっしゃいます。

「この実習生は4か月の日本語の学習でだいたい
これくらいの日本語を勉強しました。

コミュニケーションをする場合はこれくらいの
日本語の範囲でコミュニケーションを取ってあ
げてください。

でないと、実習生には通じませんよ。」

というように対応するということが大事なのです。

実習生だけでなくて、受け入れる監理団体の日本人にも
アドバイスしていくということが大事なんですね。


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