伊藤園の「おーいお茶」は、なぜ「おーいお茶」なのか。

伊藤園の「おーいお茶」が、どうして「おーいお茶」
という名前なのか、皆さん、ご存知ですか。

ん?知らない?

ボーっと生きてんじゃねーよ!!!!!(笑)

実は、この「おーいお茶」、もともとはこんな名前
ではなく、

「伊藤園の煎茶」

という名前だったそうです。

(ここまで読んで、
「だから何?日本語教育と関係ないじゃん。」
と思った方、実はあるんです。)

ところが、この「煎茶」がまったく売れない。

困った伊藤園は、何とか売れないものかと会議を
しました。

「どうやったら売れるか。」
「どうやったら買ってもらえるか。」

皆さんだったら、こんな時、どういうふうに
考えますか。

伊藤園は考えました。

「お客様に弊社のお茶を買っていただくためには、
お客様がお茶を飲みたくなるような状況を意図
的に作ってあげて、

そのタイミングで目の前に商品があれば、買って
いただけるのではないか。」

では、どうやってお客様がお茶を飲みたくなる
ような状況を意図的に作ればいいのか。

伊藤園は考えました。

「人がお茶を飲むときの一連の行動連鎖を解明し、
その初動を起こすスイッチを押すような仕掛けを
作れば、

人は勝手にお茶を飲みたくなり、弊社の商品に
手が伸びるのではないか。」

では、その一連の行動連鎖とは何か。

ここで開発チームは心理学にその答えを求めました。

そしたら、「手続き的知識」という用語に行き当たった。

手続き的知識というのは、検定試験にも頻出の用語で、
物事の手順に関する、言語化が非常に難しい知識のこと。

実は、ここでとても重要なのは、「物事の手順」にも
まして、「言語化が非常に難しい」ということ。

言語化が難しいということは、かなりの部分が
無意識的に実行される知識であるということを意味
します。

さらに言えば、本人が制御できない領域の知識、つまり
初動を起こすスイッチがいったん入ると、

後は半自動的にゴールの行動まで行かせてしまうという
ことなのです。

そこで、伊藤園は考えました。

「例えば夫や上司がお茶を飲むとき、

1.妻や部下に「おーいお茶」という。

2.妻や部下がお茶を持ってくる。

3.お茶を飲む。

であえば、最初の「おーいお茶」というフレーズを
そのまま商品名にすればいいんじゃね。」

そして、「伊藤園の煎茶」を「おーいお茶」にネーミン
グを変えて販売したところ、

ご存知の通りの爆発的ヒットとなったのです。
(中身はそのままです。)

恐るべし、手続き的知識の破壊力。

検定試験で「手続き的知識」は、「宣言的知識」
とともにそこそこ出題されるワードですが、

とはいえ、「手続き的知識」についてはその存在に
さらっと触れられるぐらいの扱いです。

ですが、極めればここまで社会に影響を与えることが
できる最強の知識なんですね。

こんな話を、去年だったか一昨年だったか、検定対策
セミナーin大阪でお話しさせていただきました。

で、その後の懇親会で参加者の方から、

「ウチの主人に『おーいお茶』なんてこと、
絶対に言わせません!」(笑)

と言われ、一同大爆笑(^_^)

いやはや、楽しかったです(^_^)


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