動詞の活用から今を生き抜く思考法を読み解く(その2)

前回出した宿題、やってみましたか?

繰り返しになりますが、

今やっていることは、
単に日本語の動詞の活用ルールを
知るということではなく、

【これからの時代を生き抜くための
大変重要な思考を身につける】

というかなり大きな狙いがあります。

今やっていることは、

ごく普通の見慣れた動詞から、

「動詞の活用」

という普遍的なルールを抽出する
という作業。

ある種の思考実験です。

というわけで、

まずは答え合わせをしましょう。

下が、答えです。

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【宿題】

五段動詞「書く」、上一段動詞「起きる」
下一段動詞「寝る」の活用を、
例にならって書きなさい。

なお、語幹と活用語尾の間に「・」を
入れること。

辞書形 例)書く    起きる   寝る
kak・u   oki・ru   ne・ru

・ナイ形  kak・anai  okinai  ne・nai

・マス形  kak・imasu oki・masu  ne・masu

・テ形   ka(k)・ite oki・te  ne・te

・受身   kak・areru oki・rareru ne・rareru

・可能   kak・eru oki・rareru ne・rareru

・使役   kak・aseru oki・saseru ne・saseru
kak・asu

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このように見てみると、いろいろなことが
分かると思います。

「なるほど!五段動詞の語幹は子音(k)で
終わってるけど、一段動詞の語幹は母音
(i,e)で終わってる。」

とか、

「一段動詞は、受身と可能が同じ形なんだね。」

とか、

「確かに五段動詞の使役は、『書かせる』と
『書かす』の2つあるなぁ。」

とか、

「上一段動詞も下一段動詞も、結局、
活用語尾は、全部一緒じゃん。」

とか。

全部正解です。

で、こういうことは、ちょっと面倒でも
アルファベットで表記することで
見えてくることなんですね。

で、

これをさらに一般化してみましょう。

上の五段動詞と一段動詞(上も下もまとめます)
の語幹を、全部「●●」に置き換えると、

動詞の活用のルールが、よりはっきり
してきます。

ただし、五段動詞のテ形は、いろいろ
あるので、ここでは便宜上「te」だけで
表しますね。

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辞書形  五段動詞    一段動詞
●●・u    ●●・ru

・ナイ形  ●●・anai   ●●nai

・マス形  ●●・imasu  ●●・masu

・テ形   ●●・ite  ●●・te

・受身   ●●・areru  ●●・rareru

・可能   ●●・eru ●●・rareru

・使役   ●●・aseru ●●・saseru
●●・asu

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これが、日本語の五段動詞と一段動詞の
活用ルールです。

テ形はともかくとして、

日本語のすべての五段動詞と一段動詞は
このルールにのっとって活用するわけ
ですね。

まさに、動詞の活用の普遍的なルール、

言い換えれば、原理原則の抽出になる
わけです。

であれば、です。

このルールに沿って活用させれば、
実存しない架空の動詞であっても、

あたかも、実在する動詞であるかの
ように活用できるはず。

というわけで、

架空の動詞「くじらる」「ひつじる」
を活用してみましょう。

そもそも、この2つの動詞は、
五段動詞なのか、それとも一段動詞
なのか。

まずは、そこから考えてみてください。

なお、このタスクは、

丸山敬介『教えるためのことばの整理
(日本語教育演習シリーズ)』凡人社

のどれかで紹介されているものです。
(どれだったか、忘れちゃった。)

以下、次回までの宿題です。

ホントにやってね(^_^)

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【宿題】

架空の動詞「くじらる」「ひつじる」の活用を
書きなさい。

なお、活用はひらがなとアルファベットを併記
し、語幹と活用語尾の間に「・」を入れること。

くじらる   ひつじる
・辞書形
・ナイ形

・マス形

・テ形

・受身

・可能

・使役


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