本来の読むを楽しむ。

先日の亀田先生の

「著者直伝!模範授業見学あり!
 『テーマ別中級から学ぶ日本語 三訂版』
 を使った中級授業の進め方」
 
セミナーで、

亀田先生は、読解指導のポイント
として、

【本来の読むを楽しむ】

を挙げられていました。

ここ、私はひどく共感するとともに、

案外私たち日本語教師がうっかり
忘れてしまうことなのではないかな
とも思いました。

私達日本語教師は、ややもすると
本文中の

▼新出語彙の意味の確認

▼新出文型の意味の確認

▼主語の省略の復元

▼指示詞の指示内

▼筆者の主張

等に気を取られてしまいがちで、

もちろん、そうしたことも授業で
扱わなければならないわけですが、

もっと大事な

「文章の内容の吟味」

こそ授業の柱にすべきなんですね。

そうしないと、読解の面白さを
学習者に伝えることができませんし、

最悪

「そもそも、どうしてこの文章を
 読んでいるんだっけ?」

となってしまうからです。

私は、読解授業の究極的な目的は、

「文章に現れた筆者の考え方や価値観、
 世界観に触れることで、

 学習者の価値観や世界観にヒビを
 入れる。」

ことだと考えています。

学習者が、読解を通じて自身の価値観や
世界観に(いい意味で)ひびが入ると、

「なるほど!そういうことだったのか!」

と、

【感動、驚愕、共感、納得】

と強く感情が揺さぶられる。

これが、「本来の読むを楽しむ」こと
だと思うんですね。

例えば、『中級から学ぶ』の第1課

「なぞなぞ」

では、子どもの英語学習にやきもきする
母親が描かれています。

だったら、タイトルも「子どもの英語の勉強」
にでもすればいいのに、

なぜ、わざわざ「なぞなぞ」なのか。

それは、まさに育児とは、理屈で考えても
答えが出ない、心にゆとりや遊び心がないと
答えが出ない、

なぞなぞのようなものだからではないか。

そのように思います。

そこで、二十歳前後の未婚の学習者に、

「君たちがまだ小さかった頃、君たちの
 ご両親も同じような感じじゃなかった
 ですか。

 そして、君たちも人の親になると、
 きっと同じようになると思いますよ。」

というと、育児経験のない学習者は、

「なるほど!そういうことなのか!」

と、合点がいくわけです。

ここではじめて、学習者は本文の内容を
自分事として落とし込むことができる
わけですね。

そんな経験が、

「本来の読むを楽しむ」

ということではないかと。

そういう授業を、私ももっと極めて
いきたいと思います。


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