日本語教育機関認定法可決、その概要は?

去る5月26日、日本語教師を国家資格にする
ことなどを盛り込んだ日本語教育機関認定法が、
26日の参議院本会議で可決・成立しました。

本法律の正式名称は、

「日本語教育の適正かつ確実な実施を
 図るための日本語教育機関の認定等に
 関する法律」

本法律によって、日本語学校の認定が従来の
法務省から文部科学省に移るとともに、

国内の日本語教育機関は文部科学省の認可
が必要となり、

また、日本語教師の国家資格「登録日本語教師」
が創設されることで、

日本語教育機関で働くためには、本国家資格が
必要となります。

本法律は、今後の日本国内の日本語教育の
あり方、

さらには、日本語教師のキャリア形成に
大きく影響を与える数十年に1度の超重要
事項。

もちろん、現職日本語教師にとっても
今後の仕事のあり方に直接的に関係します。

それだけに、その内容を熟知しておくこと
必須です。

そこで、今回は、本法律の概要を皆様に
ご紹介します。

本法律の概要や条文については、文部科学
省の下記サイトに掲載されています。

日本語教育の適正かつ確実な実施を図る
ための日本語教育機関の認定等に関する
法律案
https://qr.paps.jp/meBbK

このうち、今回は概要にあたる内容を
以下に掲載します。

ぜひしっかりと読んでくださいね。

===================

日本語教育の適正かつ確実な実施を図る
ための日本語教育機関の認定等に関する
法律案の概要

趣 旨

日本語教育の適正かつ確実な実施を図り、

もって我が国に居住する外国人が日常生
活及び社会生活を国民と共に円滑に営む
ことができる環境の整備に寄与するため、

日本語教育機関のうち一定の要件を満た
すものを認定する制度を創設するととも
に、

認定日本語教育機関において日本語教育
を行う者の資格を整備する。

【日本語教育の推進に関する法律
    (令和元年法律第四十八号)】

(日本語教育に従事する者の能力及び資
 質の向上等)

第二十一条 国は、日本語教育に従事する
者の能力及び資質の向上並びに処遇の改
善が図られるよう、

(略)

国内における日本語教師(略)の資格に
関する仕組みの整備(略)を講ずるもの
とする。

附 則

第二条 国は、(略)日本語教育を行う
機関であって日本語教育の水準の維持
向上を図るために必要な適格性を有す
るもの(略)に関する制度の整備につい
て検討を加え、

その結果に基づいて必要な措置を講ずる
ものとする。

概要

1.日本語教育機関の認定制度の創設

(1)日本語教育機関の認定制度
           【第二条関係】

○ 日本語教育課程を置く教育機関の設置
 者は、日本語教育課程を適正かつ確実
 に実施することができる

 日本語教育機関である旨の文部科学大臣
 認定を受けることができる。

(2)認定の効果等【第二条・第五条関係】

○ 文部科学大臣は、認定日本語教育機関
 の情報を、多言語でインターネットの
 利用等により公表する。

○ 認定日本語教育機関の設置者は、生徒
 の募集のための広告その他のものに文部
 科学大臣が定める表示を付することがで
 きる。

(3)文部科学大臣による段階的な是正措
  置【第十一条・第十二条関係】

○ 文部科学大臣は、必要な場合に日本語
 教育の実施状況に関し報告を求めること
 ができるほか、

 勧告及び是正命令を行うことができる。

※・認定基準に関する法務大臣への協議
           【第十五条関係】

・文部科学大臣と法務大臣その他の関係
行政機関の長との協力 【第十六条関係】
を規定

2.認定日本語教育機関の教員の資格の
 創設

【日本語教育の推進に関する法律
     (令和元年法律第四十八号)】

(日本語教育に従事する者の能力及び資
 質の向上等)

第二十一条 国は、日本語教育に従事する
者の能力及び資質の向上並びに処遇の改
善が図られるよう、

(略)国内における日本語教師(略)の
資格に関する仕組みの整備(略)を講ず
るものとする。

附 則

第二条 国は、(略)日本語教育を行う機
関であって日本語教育の水準の維持向上
を図るために必要な適格性を有するもの
(略)に関する制度の整備について検討
を加え、

その結果に基づいて必要な措置を講ずる
ものとする。

○ 認定日本語教育機関において日本語教
 育を行うために必要な知識及び技能に
 ついての試験(日本語教員試験)に合
 格し、

 文部科学大臣の登録を受けた機関(登録
 実践研修機関)が実施する実践研修を修
 了した者は、

 「登録日本語教員」として、文部科学大
 臣の登録を受けることができる。
            【第十七条関係】

○ 日本語教員試験は、「基礎試験」(基
 礎的な知識及び技能を判定)及び「応用
 試験」(知識及び技能のうち応用に関す
 るものを判定)とで構成し、

 文部科学大臣が指定する機関(指定試験
 機関)が実施する。

【第二十二条・第二十八条関係】

○ 文部科学大臣の登録を受けた日本語教員
 の養成機関(登録日本語教員養成機関)
 が実施する養成課程を修了した者につい
 ては、

 その申請により、基礎試験を免除する。
           【第二十三条関係】

施行期日

令和6年4月1日(認定日本語教育機関の
教員の資格等については経過措置を設ける)

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いかがでしょうか。

まずは、概要を掴むことが本法案を理解する
ための第一歩です。

概要がイメージできるまで、2度3度
読んでおいてくださいね。


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