フランス語の日本語への干渉(その1)。

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では、実際に我が別府大学に在籍する
フランス人留学生に参加してもらい、

受講者の方に発音指導をしていただき
ます。

(なので、ぜひお申込くださいね(^_^))

で、先日その留学生と事前朗読動画の
収録を行いました。

つまり、指導前のビフォー動画の収録
ですね。

実際彼の日本語の発音を聞いてみると、

「さすが中上級、滑らかな発音!」

と思いつつ、細かいところで

「なんかちょっと違う。」

という音がいくつか聞かれました。

とはいえ、自分の中でうまく言語化
できないので、

「じゃあ、ちょっと論文を調べて
 みよう。」

と思い、見つけたのがこの論文です。

会津洋(1970)「フランス語の日本語への干渉」
 早稲田大学日本語教育研究センター紀要
 『講座日本語教育』pp.101-109
https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/26337

随分古いですね(苦笑)

以下、気になる部分をリストアップ。

まずは「まえおき」

・始めはやさしい、つまりすぐ発音でき日本人に
 通ずると思っていたけれどかなり学習が進むと
 やはりいくつかの難しい発音がある、また特に
 イントネーション・アクセントがどうも日本人
 と違ってしまう、やはり最初より正しい発音、
 イントネーション、アクセントの訓練が必要だ、
 と認めていた。

次に、「フランス語音の特性」

・母音の調音点が前より。
・円唇母音が多い。

そして、「フランス語にない日本語の特性」

・「ら」行音
 あるフランス人は[l]と[d]の中間音という
 つもりで修得したといった 。

・「は」行音
 フランス人は「はな」を「アナ」と発音した
 りするとはよく聞くはなしだが日本語に熱心
 なフランス人はつぎの理由で訓練しだいで
 そう困難なく獲得できる音だという。すなわ
 ち:

 a〉[h]はフランス語音として標準では現われ
  ないが文字hは表記されているから字をみ
  るたび音[h]は意識されている。

 b〉英・独語を学ぶときは必要であるので学
  んでしまっている。

 実際には語頭より語中において母音に挿ま
 れているとき、より困難なようである。

 (例)asahi、sohyo、taiho、etc

・高さアクセントの異なる同音異義語
 [例】 雨/飴;錐/霧;箸/橋;親切/新雪etc

 この種の区別は特に2音節語どうしが難し
 いようで、あるフランス人たちは(中略)
 アクセント符号をつけて欲しいと望んで
 いた 。

———————————

なるほど。

かなりイメージできました(^_^)

長くなりそうなので、今日はここまで。


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