キーワード解説「か」

これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。

化石化(かせきか)★

fossilization。外国語学習者が外国語を習得している段階でおこる、ある特定の言語項目や規則が誤って習得され、その誤用がそのまま定着してしまう現象。

セリンカー(Selinker)は、化石化を起こす原因として以下の5つをあげています。(以下、『新版日本語教育事典』pp.699-700より。)

1.言語転移:
目標言語の習得に学習者の母語や既習言語が影響を与えること。次の例は英語の「on the table」を適用して語順を間違えたと推測される。
(例)本は上の机(→机の上)です。

2.訓練上の転移:
教室指導や訓練が影響を与えること。次の例は質問内容を繰り返して不自然な対応をしており、教室での文型練習の影響が推測される。
(例)A:夕食の後は、いつも何をしていますか。
B:夕食の後は、いつもテレビを見ています。

3.過剰般化(過剰一般化ともいう):
目標言語の1つの規則や意味的特徴を異種類の項目に適用させること。次の例は「楽しい」の過去形を産出する際に、「有名だった」「休みだった」と同様に、「だった」を付加したと推測される。
(例)きのうの映画は楽しいだった(→楽しかった)。

4.学習方略(学習ストラテジーともいう):
学習者が目標言語を学習する際に用いる方略によって起こる。次の例は「ある」の存在動詞はつねに「が」がつく(または「は」の次に「が」が来る)と覚え、「があります」を産出したと推測される。
(例)熱は38度(→φ)あります。

5.コミュニケーション方略(コミュニケーション・ストラテジーともいう):
目標言語話者とのコミュニケーションにおいて用いる方略によって起きること。次の例はコミュニケーションをスムーズに行おうとして、選択に迷う助詞の使用を回避したり、特定の助詞を多用したりしていると推測される。
(例)先週φ、私φ、新幹線φ、乗りました。
先週(→φ)私は、新幹線(→に)乗りました。


資格取得が目標の方へ
無料メルマガ「篠研の日本語教育能力検定試験対策」

日本語教育能力検定試験頻出のキーワードやテーマについて4択問題と動画でお届けします。平日(月・水・金)、日本語教育能力検定試験合格のための情報をご提供するメルマガです。

さらに、今ご登録なさると特典が無料でダウンロードできます。
特典 「日本語教育能力検定試験 記述問題対策」(全24ページ)

解除はもちろんのこと、メールアドレス変更など個人データの編集も簡単ですので、ご安心ください。プライバシーポリシーをご確認の上、ご登録を希望されるメールアドレスを入力し、ご希望の項目ボタンを押してください。

  メールアドレス【必須】
  お名前(姓)【必須】
  お名前(名)【必須】
  よみがな【必須】
  都道府県【必須】 なお、海外在住の方は「海外」をお選びいただき、下記項目に例のようにご記入ください。
海外にお住まいの方は「ベトナム(ホーチミン)」のようにお書きください。